確定申告でトクをするにはどうすればいいのか 中止のチケット代も「寄附金金控除が可能」かも

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確定申告は、「しなければいけない人」と、「申告するとトクする人」がいます。

しなければいけないのは、フリーランスや自営業者など、税の手続きを自分で行う人。会社員は勤務先で源泉徴収や年末調整をしてくれていますが、副業した人などは、場合によっては確定申告が必要な場合があります。

確定申告でトクする人とは、どんな人かというと、例えば住宅ローンを組んだ人です。年末のローン残高に応じて納めた所得税が還付される「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」が受けられます。

控除の内容は取得した住宅に住み始めた時期によって異なり、2014年4月~2020年12月31日までに居住した人は最初の10年間はローン残高の1%(一般住宅では最高40万円、一定の要件を満たす認定住宅では同50万円)となります。このうち、2019年10月1日~2020年12月31日までの入居なら、11~13年目も、「ローン残高の1%」または「建物購入価格(消費税除く)×2%÷3」のいずれか少ないほうが控除されます。

ただし、所得が3000万円以下、住宅の床面積が50平方メートル以上などの条件があります。所得税が控除される制度ですから、実際に戻ってくるのは納めた所得税が上限であり、控除額が40万円でも、納めた所得税が30万円なら、戻ってくるのは30万円までです。会社員の場合、2年目以降は年末調整で手続きできますが、1年目は確定申告をする必要がありますので、しっかり手続きしましょう。

「住宅ローンを組んでいないから控除を受けられない」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。耐久性、耐震性、省エネ性能などに優れている「認定長期優良住宅」や、断熱性や二酸化炭素削減の基準を満たす「認定低炭素住宅」なら、住宅ローンを組んでいなくても、「認定住宅新築等特別税額控除」が受けられる可能性があります(住宅ローンを組んだ場合は、住宅ローン控除とのいずれかを選択)。

自宅をリフォームした場合も控除を受けられる

住宅を取得した人だけでなく、自宅をリフォームした人にも税金を取り戻すチャンスがあります。どのような控除が受けられるかは、どんなリフォームをしたかによって異なります。

まず一般的なリフォーム・増改築をして、費用が100万円以上、返済期間10年以上のローンを組んだ人は、前述の住宅ローン控除が受けられます。また1981年5月31日以前に建築された、自身が住む家屋に耐震改修工事をした場合は、住宅ローン控除に加えて「住宅耐震改修特別控除」も受けることができます。控除額は最高25万円(1年)です。この控除はローンを組んでいなくても適用されますので、見逃さないようにしてください。

さらにバリアフリー改修・省エネ改修、多世帯同居リフォームを行った場合は、前述の「住宅ローン控除」、または「特定増改築等住宅借入金等特別控除」(5年以上のローン、工事費用50万円超、控除期間5年・控除額上限12万5000円)、あるいは「住宅特定改修特別税額控除」(工事費用50万円超、控除期間1年・控除額上限25万円。太陽光発電設備工事では10万円加算)の、いずれか1つを利用できます。

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