香川真司の「新天地探し」がここまで難航した訳 大物サッカー選手が直面する「30代の壁」の正体

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契約解除せずにそのままサラゴサに居続ける選択肢もないわけではなかったが、そうなると「塩漬け状態」に陥るのは目に見えていた。ボルシア・ドルトムント最終シーズンとなった18-19シーズンの前半戦もルシアン・ファブレ監督からほぼ構想外と位置付けられ、ベンチ外の日々を過ごした香川だけに、それを繰り返すのだけは我慢ならなかったのだろう。

欧州では移籍にまつわるトラブルでトップチームの練習に参加できなかったり、戦力外状態に追いやられる例は枚挙にいとまがない。ACミラン時代の本田圭佑も徐々に出番を減らし、「契約満了が近づいてきて、延長にサインをしなかったり、移籍先が見つからなかったりすると試合出場時間が確実に減る」と悔しさを吐露していたことがある。

確かに原口元気(ドイツ2部・ハノーファー)もヘルタ・ベルリン時代にイングランド移籍を熱望し、契約延長を保留にした途端、スタメン落ちを強いられるという理不尽な扱いを受けた。

ぶつかった「30代の壁」

2000年代に欧州でプレーした選手に至っては、クラブからイスラエル移籍を勧められながら、日本代表での中東遠征参加への支障を考えて断った結果、ユースの選手と一緒に練習させられた。「商品価値のない選手は不要」というのが欧州サッカー界の一般的な考え方。香川は最悪の事態に陥る前に納得いく新天地を自ら見いだしたかったのではないか。

その後もスペインを第1候補に国内で新天地を探し続けたが、現地メディアに名前の挙がった2部・サバデルやテネリフェなどはサラゴサ以上に経営的に厳しかった模様だ。条件に見合うところがなく、さらには「30代の壁」にもぶつかった。

欧州では30歳を超えた選手を「向上心やモチベーションがない選手」とみる傾向が非常に強いという。香川同様、2015年に半年間の無所属経験を強いられ、スコットランド1部のダンディー・ユナイテッドに新天地を求めた川島永嗣(フランス1部・ストラスブール)も「自分もその偏見に悩まされてきた」と打ち明ける。

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