在宅ワークでも「人事評価は同じ」に高まる不満 「評価制度」を見直さない会社は楽観的すぎる

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会社の変化に伴い、求める人材像も変わります。求める人材像が変われば制度で見直すべき点が出てきます。

例えば、マーケティング担当とこれまでの営業担当が同じ報酬制度でいいのか? 仮にマーケティング担当の市場価値が高まっていたとすれば、報酬テーブルを上昇修正しないと新規採用は困難になるでしょう。競合他社へ引き抜かれてしまうリスクも出てきます。

そのリスクを認識しているにもかかわらず、制度の見直しを放置したらどうなるか? 人材流出にまで至らなかったとしても、納得感の薄い評価制度と報酬に不満がたまって、社員たちの生産性が下がってしまうこともあるでしょう。

1つ事例を紹介します。ある半導体商社は経営上の重要指標として、売り上げ・利益を掲げていました。そのため、目の前の契約に対してアグレッシブに行動ができるものの、顧客満足はおざなりになりがちで、アフターケアなどがおろそかになっていました。

この点に危機感を感じた経営者はあるとき、「顧客満足度を高めよ」と号令をかけました。ところが、人事評価制度はそれまでと同じ。顧客満足を高める仕事をしたとしても、評価されないので、社員たちの不満が止まりません。

こうした事態は「管理職の怠慢のせいではないか」と、経営陣からも叱咤されることになり、管理職たちが疲弊。やる気の下がった上司がいる職場が増えて、業績が下降してしまったそうです。

このように人事評価制度を見直しせず長く放置していると、職場の士気が大幅に低下するといった、大変なことが起きる可能性があるのです。にもかかわらず、定期的に行わない会社は少なくありません。いったいなぜなのでしょうか。

人事評価制度の見直しを継続している会社の特徴

当然ながら、定期的に人事評価制度の見直しを行っている会社も存在します。筆者が見る限り、そうした会社は人材流失も少なく、業績も伸ばしている会社が多いのです。人事評価制度の見直しを継続することが、会社の成長につながる実感を持っていて、いいスパイラルが構築されていたりします。

そうした、うまくいく会社に共通する特徴があります。それは、「なぜ人事評価制度の更新を行うのか」が明確になっていることです。

企業のビジョンとひも付けて、意義が浸透しています。例えば、創業10年のあるEC系ベンチャー企業は「Innovation Companyになること」をビジョンに掲げ、ビジョンと人事評価制度を連動させています。革新的な取り組みに高い評価をすると定めて人事評価制度を導入。これまでに数回の見直しを行い、評価項目や昇進ルールなどを変えてきていました。

導入までの手順も丁寧です。見直しのたびに、評価を行う評価者、評価される被評価者にもしっかりと意図や運用を伝える、コミュニケーションプランまで用意しています。ただ定期的に制度を変えて一部の担当者が満足するのでなく、制度を軸に据えて仕事に取り組む環境が整備されていて、形骸化していないのです。ある意味、参考にすべき成功例と言えます。

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