ウブすぎる!中年「転職初心者」が陥りがちな罠 キャリアは「アップすべき」という超思い込み

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紫乃ママ:なるほど。でも、いきなり会社を立ち上げて食べていくのは難しいと思うから、次の会社で働きながらその先の基盤をつくる準備をしたら?

理恵子:新しい会社でそんな余裕がありますかね?

紫乃ママ:長く1つの会社で勤めた人って、次のキャリアを考えるときも「今までみたいに働くか」、それとも「起業するか」っていう二者択一しかないと思っている人が多いけど、働き方や人生ってもっとパラレルでいいと思うんですよ。ゆくゆくは起業を念頭に置いているなら、そのための人脈づくりや、仕事の内容が起業につながりそうな会社を、次に選ぶのもいいしね。

理恵子:なるほど、その視点はなかったです。

次の場所で「何を獲得できるか」も考えて選ぶ

紫乃ママ:先々の起業を見越したうえで、次の会社では、そのための人脈や経験といった財産を増やしていくという方法。次の次を見越して仕事をするなら、次の職場で条件が1つくらい合わなくても許せるかもよ。次の場所で「何で貢献するか」だけでなく「何を獲得できるか」も考えてみて。1年間やってみて、違うと思ったら辞めたっていいし。今まで転職バージンなんだから、もうこの後は開き直って何回転職したっていいんじゃない?

理恵子:そうですよね。少し気が楽になりました。

紫乃ママ:そうよ。私だって結婚3回目にしてやっと……ってそれは置いといて、とにかく、「次を最後に」とか思わないでいい。入ってみて違うと思ったら、その次はより正しい選択ができるはずですよ。動いてみないとわからないでしょ。

『昼スナックママが教える45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』(日経BP)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

それに、「年収が上がる転職」「ポジションが上がる転職」=「キャリアアップ」っていう刷り込みがあるけれど、そもそも「キャリアアップ」って何よ? キャリアにはもともとアップもダウンもないわよ。キャリアっていうのは、その人が生きてきた、働いてきた軌跡そのものでしょう。私たちくらいになったら、誰がなんと言おうと自分に合った職場を見つけられる人が幸せになる。市場価値なんて言葉に踊らされないでよね。

理恵子:定年前に、自分の仕事を考え直す機会ができたのはよかったかもしれない、と思えてきました。次の次まで、先を見据えて頑張ってみます!

(※個人が特定されないよう、事実関係を一部変更している部分があります。あらかじめご了承ください)

木下 紫乃 「スナックひきだし」ママ/中高年世代のキャリア支援事業会社CEO

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きのした しの / Shino Kinoshita

1968年、和歌山県生まれ。慶応義塾大学卒業後、リクルートに入社。その後、転職を繰り返し、47歳で慶応義塾大学大学院修了。2016年には40代、50代のキャリア再構築を支援する会社「ヒキダシ」を設立。企業研修(セカンドキャリア研修)や中高年のキャリアコーチングをなりわいとするかたわら、週1回、昼だけ営業する「スナックひきだし」を開店。「昼スナブーム」を巻き起こす。プライベートでは3度の結婚など紆余曲折、盛りだくさん。

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