火星に住める?宇宙での木材活用の道を探る訳 2023年に木造の人工衛星の打ち上げ計画も
そのISSを活用した、「極限環境におけるストレス低減に及ぼす木の効果研究」も同プロジェクトで行われる。これは、宇宙空間における人類の居住スペースに木材を使うことを想定したものだ。
地球の住宅にはさまざまな部位に木材が活用されているが、その理由には建材などとしての使いやすさとともに、人の気持ちを癒やす効果があるためだ。今後、可燃性や重量の問題についてはクリアするべく研究を進めるという。
余談だが、この研究が成果を上げれば、航空機の内装材などに木材を使用することもできるようになるのではないか。海外に行く際の長期フライトでプラスチックと鉄に囲まれた殺風景な環境に筆者はいつも辟易しているので是非実現してもらいたいものだと思う。
いずれにせよ、木材が宇宙・航空分野で活用されないのは、耐火性や耐熱性、重量など数々の問題点があるからだと考えられる。人のストレス軽減も含めて、木材活用にはさまざまなメリットが期待できそうだ。
より「宇宙」を現実的にイメージさせるトライアルも近々計画されている。それは世界初の「木造人工衛星」の開発と運用で、2023年に打ち上げられるという。
クリーンで環境にも優しい人口衛星
住友林業によると、この人工衛星はISSから宇宙空間に射出される小型のもので、木材が電磁波・地磁気を透過するため、木造にすることでアンテナや姿勢制御装置を衛星内部に設置でき、衛星構造を簡素化できるという。
これはもちろん、すべてが木造というわけではないが、従来の素材の金属などと比べて、木材を使用すると軽量化に貢献でき、今後大型化を図る場合、メリットが期待できそうだ。軽量化ができれば打ち上げコストなどを低減できる可能性があるためだ。
なお、運用終了後の大気圏突入時には、木造人工衛星は完全に燃え尽きる。このため、大気汚染の原因となる微小物質(アルミナ粒子)が発生せず、よりクリーンで環境に優しい人工衛星の開発につながるとしている。
このほか、プロジェクトでは宇宙環境における木造建築物構築、宇宙の大気・土壌などに関する研究も行うとしている。前者については、「この分野の研究事例は国内外で確認する限りない」(住友林業)という。
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