火星に住める?宇宙での木材活用の道を探る訳 2023年に木造の人工衛星の打ち上げ計画も
天文学を中心とした科学者の研究テーマの1つに「テラフォーミング」がある。これは地球外惑星改造などとも称されるが、要は地球以外の惑星に人類が生命を維持し、居住可能な環境を作り出すことだ。壮大な構想であり、そのためSF・アクション作品などで設定として使われている。
代表的なのが、貴家悠氏(作)・橘賢一氏(画)によるマンガ『テラフォーマーズ』。火星のテラフォーミングを目的に放たれたゴキブリ(人型に進化)「テラフォーマー」と、昆虫など生き物の特徴を有する人類の間の戦いを描いたドラマで、アニメ化もされている人気作(2018年末から休載中)だ。
同作品では苔とゴキブリが最初に送り込まれている植生物だが、いずれにせよ火星をテラフォーミングする過程では、人類が定住できるようにするための複雑な過程と環境づくりを経る必要がある。科学者が指摘しているのは、大きく以下のような段階だ。
科学者が指摘していること
まず、火星に人類や物資などを確実に送り届ける技術の確立。さらに極寒の環境ゆえ、大気の温暖化とそれによる氷の融解と水の確保、次に原始的な植生物が生育できる環境づくりを進める必要があるとされている。
人類が地球と同様に暮らせるようにするためには、当初から植生物の育成することが必要だ。植物は食糧自給に必要不可欠だから当然だが、住環境をよりよく整えるためには建材などとして利用ができる木材(樹木)なども必要になるだろう。
宇宙と木材……。一見、無関係に見えるこの2つの事柄を結びつけるのには、テラフォーミングの話題が適当だろうと考えたため、冒頭で紹介したわけだが、それをイメージさせる発表が昨年末あったからだ。
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