火星に住める?宇宙での木材活用の道を探る訳 2023年に木造の人工衛星の打ち上げ計画も

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京都大学と住友林業が12月23日に「宇宙における樹木育成・木材利用に関する基礎的研究」に共同であたる研究契約を締結。「宇宙木材プロジェクト(通称:LignoStella Project)」をスタートさせた。

現在は京都大学で研究に携わる宇宙飛行士の土井隆雄氏(写真:住友林業提供)

京都大学は2016年、宇宙飛行士の土井隆雄氏が宇宙総合学研究ユニット特定教授に就任。

「宇宙における木材資源の実用性に関する基礎的研究」を立ち上げ、大学院総合生存学館において研究を進めている。

住友林業は、住宅関連事業や木材建材事業のほか、山林経営やバイオ関連などの資源環境事業など、木の利活用を柱とした事業を長年展開。木そのものに関する知見やノウハウにも定評がある企業だ。

「木」については今まで事例がない

両者の間で「木の価値を高める研究技術を開発して、宇宙での森林形成や木材利用の道を拓き、人類の持続的な発展に寄与するというビジョンが一致」したというから、冒頭のテラフォーミングの話はこじつけというわけではないだろう。

以下ではどのような研究が行われるのか紹介する。まず、「宇宙環境における木材の物性、樹木の育成に関する研究」があげられている。これは、木が宇宙空間でどのような形質変化をするのか、樹木育成の方法のあり方を探るものだ。

京大では、これまで総合生存学館において、真空中での木材の力学的性質や、低重力・低圧力下での樹木の生育に関する基礎研究を進めてきたという。

そこに、これまでの事業の中で木に関する知見を数多く有する住友林業が参画することにより、お互いの知見や得意分野を生かし、役割分担をすることで、研究の精度やスピードの向上を図る考えがあるようだ。

宇宙空間と植物に関しての研究は、食糧確保の側面から植物に関する研究は国内外で数多く行われており、国際宇宙ステーション(ISS)でもレタスなどの栽培が行われてきたが、木については事例がないという。そうした意味で、世界をリードするものになりそうだ。

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