地デジ完全移行の難題、遅れる「ビル陰」対策
調査から周知まで一連の作業はすべて建物のオーナーに任されている。これまで総務省は、受信調査などをオーナーが主体的にやることが望ましいと通達。費用の負担もオーナーや難視聴世帯など当事者間で決めるべきとしてきた。
一方、オーナー側には、「(地デジは)国策なのに、なぜ民間が尻ぬぐいをしなければならないのか」(大手不動産会社幹部)という反発が根強く、結果としてデジタル化対応の遅れを招いた。
今後、総務省はビルやマンションオーナーに向けた周知活動を強化。電波障害が継続する地域の作業支援や助成費用も拡大し、デジタル化対応のスピードアップを図る。
しかし、対応策を充実させたとしても課題は残る。中でも大きいのは共聴施設を撤去するケースだ。
東京・池袋の「サンシャイン60」(地上60階建て)を経営するサンシャインシティは、デジタル化で受信障害が解消されることがわかり、08年夏に施設の撤去を決めた。
そして08年、09年の2度、来年7月から順次撤去する旨の通知と個別受信方法などを記載したパンフレットを全対象世帯(約1・2万世帯)に配布。問い合わせ窓口も設けた。
ネックはマンション
ところが、問い合わせは2回とも20件程度。昨年末は説明会を2日間開催したが、参加者は合わせても100人に満たなかった。ただ周知をやめれば、後に対象世帯から苦情が出る可能性があるため、「今後も地道にやっていくしかない」(�野光一業務室次長)。