アメリカのドナルド・トランプ大統領は12月18日、アメリカの証券市場に上場する外国企業の監督強化を目的にした「外国企業説明責任法」の法案に署名した。これにより、主に中国企業を標的にする同法が最初の法案提出から20カ月を経てついに成立した。
外国企業説明責任法は、アメリカに上場する外国企業にアメリカの会計監査基準の厳守を求めている。具体的には、その企業が外国政府に所有ないし支配されていないことを証明できない場合や、その企業の監査法人が公開会社会計監査委員会(PCAOB、アメリカの上場企業の監査法人を監督する機関)の検査を3年連続で受け入れなかった場合、株式の取引が禁止されて上場廃止となる。
同法は共和党のジョン・ケネディ上院議員と民主党のクリス・バン・ホーレン上院議員を中心とする超党派の議員団により起草され、2020年5月20日に上院が全会一致で可決。12月2日には下院でも全会一致で可決された後、トランプ大統領に提出されていた。
バイデン政権発足後も見直しは困難
目下、ニューヨーク証券取引所やナスダックには230社を超える中国企業がADR(アメリカ預託証券)を上場している。その時価総額は1兆ドル(約103兆円)を上回り、アメリカ株式市場の時価総額全体の約3%を占める。
アメリカでは2021年1月20日にジョー・バイデン氏が新大統領に就任する。だが市場関係者の多くは、トランプ政権が実施した中国企業に対する締め付け強化を見直すことは、バイデン政権にとって優先順位が高くないと見ている。要するに見直しは短期的には困難だろう。
一方、こうしたアメリカの動きに対して中国当局ははっきりと不満を表明している。外国企業説明責任法の法案が下院で可決された後の12月4日、中国証券監督管理委員会の担当部門の責任者は次のようにコメントした。
「明らかに(中国企業に対して)差別的な法案であり、プロフェッショナルであるべき証券監督行政を歪めている。問題をことさら政治化するやり方には断固として反対だ」
(財新記者:岳躍)
※原文の配信は12月20日
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