米SEC、中国「新興カフェ」の粉飾に罰金186億円 関連先との架空取引で売上高を28~45%水増し

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ラッキンの不正会計事件は、アメリカの投資家および当局に深い対中不信を植え付けた(写真は同社ウェブサイトより)

アメリカ証券取引委員会(SEC)は12月16日、中国の新興カフェチェーン、瑞幸咖啡(ラッキン・コーヒー)の不正会計事件をめぐり、同社が1億8000万ドル(約186億円)の罰金を支払う和解案に同意したと発表した。

ラッキンは2019年5月にアメリカのナスダックに上場した後、1年も経たないうちに深刻な不正会計が露呈。今年6月末に上場廃止となった。

SECの調査によれば、同社は2019年4月から2020年1月までの間に関連会社などとの取引を通じて3億ドル(約311億円)を超える架空の売り上げを計上し、それを自然に見せかけるため経費も1億9000万ドル(約197億円)以上水増ししていた。

その結果、ラッキンが決算書で開示した売上高は2020年1~6月の実際の売上高より28%、同1~9月では45%も誇張されていた。同社はこうした偽りの好業績で投資家を騙し、社債発行などを通じて少なくとも8億6400万ドル(約894億円)の資金を不正に集めたという。

不正を肯定も否定もせず和解案に同意

これらの容疑について、SECはニューヨークの連邦地方裁判所に訴訟を提起。ラッキンはそれを肯定も否定もせず、罰金の支払いに同意した。今回の和解案は裁判所の批准を経た後に発効する。

和解案には罰金に加えて、ラッキンがアメリカの連邦証券法に違反することを永久に禁じる条項も含まれている。アメリカの関連法規に詳しい弁護士によれば、この条項により、ラッキンは仮に再び証券法に違反した場合に裁判所の審理を経ることなく即座に有罪となる。

とはいえ、同社はすでにナスダックで上場廃止となったため、「アメリカ市場での再上場は難しい、という以上の意味はあまりない」と、この弁護士は解説する。

本記事は「財新」の提供記事です

SECの法執行部門のキャロライン・ウェルシャンズ参事によれば、ラッキンに対する和解案は、不正会計による被害を受けた投資家への補償の可能性を最大限に高める目的で提示したという。

一方、ラッキンはミニブログの公式アカウントを通じて、「会社と店舗は正常に営業を続けている。今後も当局の監督に協力し、法令順守に最優先の重きを置く」とのコメントを発表した。

(財新記者:沈欣悦)
※原文の配信は12月17日

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