中国動画配信「iQIYI」の不正疑惑を米SECが調査

有料会員数が3カ月で1400万人減、株価は急落

iQIYIは「中国版ネットフリックス」との触れ込みで2018年3月にナスダックに上場した。写真は上場時に記念の鐘を鳴らしたiQIYI創業トップの龔宇氏(ナスダックのウェブサイトより)

中国の動画配信大手の「愛奇芸」(iQIYI、アイチーイー)は8月13日、2020年4~6月期の決算報告を発表すると同時に、業績よりも投資家に大きなショックを与える2つの事実を公表した。

1つ目は、同社がアメリカ証券取引委員会(SEC)の調査に協力している事実を初めて認めたこと。2つ目は、6月末時点の有料会員数が3月末時点より1400万人も減少したことである。これらを受けて、アメリカのナスダックに上場しているiQIYIのADR(アメリカ預託証券)は時間外取引で一時18%以上急落した。

iQIYI によれば、SECは同社の2018年1月以降の財務・経営記録を調査しており、「調査終了の時期、調査の結果および経営への影響を予想することはできない」という。同社に関しては今年4月、アメリカの投資会社ウルフパック・リサーチが「売上高や会員数を水増ししている」と告発する調査リポートを発表。iQIYIは「開示しているすべての財務および業務データは真実であり、SECの要件を満たしている」と疑惑を全面否定していた。

有料会員数は天井を打ったとの見方も

なお、4~6月期の業績自体は相対的に堅調で、売上高は74億1200万元(約1141億円)と前年同期比4.25%増加、純損失は14億3800万元(約221億円)と同37.59%減少した。だが、6月末時点の有料会員数は1億500万人と前年同期では4%増えたものの、先に触れたとおり3月末比では1400万人も減少。有料会員数はすでに天井を打ったとの見方が出ている。

本記事は「財新」の提供記事です

4~6月期の有料会員数の減少についてiQIYIは、中国で「コロナ後」の社会・経済活動の正常化が進むとともに、人々が自宅で過ごす時間が減ったためと説明した。しかし現実には、有料会員数の増加ペースは新型コロナウイルスの流行前から伸び悩みの兆しを見せていた。2019年7~9月期の有料会員数の増加率は前年同期比31%だったが、続く10~12月期は同22%に低下、中国の新型コロナの流行期に重なった今年1~3月期も増加率は同23%にとどまっていた。

さらに中国景気全体の落ち込みが響き、iQIYI のオンライン広告業務の売上高は4~6月期は15億8600万元(約244億円)と前年同期比27.9%もの大幅減収を記録した。SECの調査の行方だけでなく、7~9月期以降の業績の先行きも不透明感が増している。

(財新記者:関聡)
※原文の配信は8月14日

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