不倫を描いて炎上しない「恋する母たち」の秘密 原作マンガとドラマは実はここまで違った

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ちなみに、丸太郎さん(=阿部サダヲさん)のセリフは、公式ホームページにも丸太郎名言集ページができているくらい「だめキュン」名言のオンパレードなのですが、そのほとんどがドラマオリジナル。

とくに

「子どもを連れて、アタシのところに来なさい」
「アタシは100年に一度の天才だよ。潰されなんかしない」
「慰謝料なんていくらでも払う」

といった“男の甲斐性”的なセリフは、原作の丸太郎さんにはなかったセリフ。

というか、原作ではむしろ、「まりちゃんは、俺みたいな男よりも、セレブの妻でいたほうがきっと幸せだ」と、身を引いてしまう役柄なんですよ。

多分、丸太郎さんが、原作のキャラのままだったら、ここまでドラマは盛り上がらなかったと思う。

さらにいうと、ダメ息子だと言われ続けた息子の秘めた才能を、夫は認めないが丸太郎さんは認める。この構図が漫画の10倍は強調されていたんですよね。

これを見た視聴者(私、含む)的には、

「母親として、息子の才能を信じて売り込みをしてくれる男性に、惹かれるのもやむなし」

の感情もあおられるわけです。

この「まる&まり」カップルの恋愛主導権を終始丸太郎さんに握らせ、しかも最後までまりさんに母の役割を放棄させなかったところが、

「あれだけの男なら、翻意もやむなし」「子どもの才能をつぶさないための決断も正しい」

と、このドラマで「母の恋」を容認させた一因だと感じます。

原作よりキツかった夫&夫の不倫相手の描写

ただし、共感うんぬんを除くと、柴門ふみさん描く原作の丸太郎さんとまりさんの恋愛事情のほうがリアルだ、とも思います。

ドラマの丸太郎さんのセリフにキュンキュンしてしまった視聴者(私、含む)は、やはり、「稼ぐ男に一途に愛される女」といった、古い昭和の価値観を心のどこかで夢見ているんだろうなあということも、思ったり。だから、柴門さんより大石さんのほうがいまどき、という短絡的な話ではないと感じています。

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