不倫を描いて炎上しない「恋する母たち」の秘密 原作マンガとドラマは実はここまで違った

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そして、もう1つ。

「まる&まり」の、本来NGなはずの恋を視聴者に応援したい気持ちにさせたのは、不倫に開き直るまりさんの夫・蒲原繁樹のクズ具合&その夫の不倫相手(山下のり子=森田望智)のゲス具合だったと思うんです。原作では、あそこまでクズ&ゲスじゃなかったですよ。

だけど、ドラマでの描かれ方を見ると、もう「ほかの男によろめくの、やむなし!」の空気感漂いますよね。

まりさんの夫のクズさと、不倫相手のゲスさが、今回のラブストーリーがギリギリ成立するカギを握っていたと思います。

これもまた、ちなみになのですが、最終回で再会するまりさんの夫と不倫相手。原作とドラマでは、180度違った再会シーンになっています。

やはりこのシーンに関しても、私自身は漫画のほうが救いがなくて、だけどその分リアリティーあるなあと思ったのですが。

でも、ドラマのほうが、完全に気持ちがいいです。

「今季イチ、気持ちのよいエンディング」

と、まだまだまだまだ、細かく改変されていたドラマで語り尽くせないのですが。

不倫を扱った作品にもかかわらず、「今季イチ、気持ちのよいエンディング」とまで言われた「恋する母たち」の評価は、製作陣の全方向世間体配慮のたまものであったのではないか、と思った次第です。

(ああ、あと、5倍くらいの分量書きたい。いちばん改変が少なかった吉田羊さんと磯村勇斗さんの恋についても、書きたい!)

と、身悶えながら、現場からは以上です。

佐藤 友美 ライター・コラムニスト

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さとう ゆみ / Yumi Sato

1976年北海道知床半島生まれ。テレビ制作会社のADを経て文筆業に転向。元東京富士大学客員准教授。

書籍ライターとして、ビジネス書、実用書、教育書等のライティングを担当する一方、独自の切り口で、様々な媒体にエッセイやコラムを執筆している。

著書に8万部を突破した『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、『道を継ぐ』(アタシ社)など。理想の男性は冴羽獠。理想の母親はムーミンのママ。

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