不倫を描いて炎上しない「恋する母たち」の秘密 原作マンガとドラマは実はここまで違った

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このドラマ、原作漫画は柴門ふみさん、脚本は大石静さん、そして主題歌は松任谷由実さんと、40代、50代の視聴者にはたまらない布陣でスタートしました。

恋に落ちるのは、

・お互い配偶者に駆け落ちされた、木村佳乃―小泉孝太郎カップル
・食品メーカーの上司・部下である、吉田羊―磯村勇斗カップル
・セレブ妻と天才落語家、仲里依紗―阿部サダヲカップル

柴門さんが「このうえないキャスティング」とインタビューに答えていたように、漫画のキャラクターを存分に生かしきるキャスティングになっていたようです。

しかし、ドラマと原作を比べると、いくつかのエピソードが割愛され、変更され、その結果、6人のキャラクターの印象もずいぶん違ったものとなっています。

そして、この改変こそが、不倫から始まる恋にもかかわらず、
「3組とも、幸せになってほしい!」「みんな、ハッピーエンドになってほしい!」

と、視聴者に思わせた、最大の理由であったと感じます。

二度目の過ちは許されない?

とくに、大きく手を加えられていたのが、本来主役であるはずの、木村佳乃―小泉孝太郎カップルの恋愛模様。この2人は、お互いの配偶者が駆け落ちし、「捨てられた側」の妻と夫という設定。

このカップルの恋愛ストーリーがほかの2組のカップルに比べて、どうにもこうにもボケがちな印象だったのですが、それもこれも、原作を読んで超納得。

「これは、今のドラマで描くと、視聴者の共感を得られないだろう」

という原作の重要なエピソードが2つ、ドラマではばっさりカットされているのです。

そのうちの1つは、

A)お互い配偶者に駆け落ちされた「怒り」によって、衝動的に関係を持ってしまうエピソード

B)駆け落ち先が判明したことを伝えるために、2人が再会するエピソード

の間に起こっていたはずの、二度目の過ちです。

この「二度目の不貞」が描かれているかどうかは、全体のトーンに決定的な印象の差を生み出したと感じます。

つまり、「結婚相手が駆け落ちしたんだから、衝動的にバグを起こすのは、いたしかたないよね。でも、それは一度きりの過ちであるべきだよね」という、視聴者心理を先読みした配慮だったように思えるのです。

このエピソードがカットされたことで、この主人公カップルの恋愛は、たった一度の過ち(しかも同情の余地あり)の、バツイチ同士の恋愛として安心して見られる展開となりました。

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