もう1つ。カットされたのは、小泉孝太郎さん演じる週刊誌の記者、斉木がスクープをもみ消すシーン。ええ。まる&まり(丸太郎&蒲原まり)の不倫スクープではありません。政治家の汚職事件のほうです。
ここもやっぱり、昨今のコンプライアンス問題を考えるにあたって、放送しにくいシーンだったと思うんですよね。
ここを、真逆のエピソード(ドラマでは小泉孝太郎さんが「汚職問題を握りつぶすわけにはいかない」と拒絶し、木村佳乃さんに別れを切り出す)としてドラマ用に創作したことにより、このカップルの(法的に)クリーンな印象が際立ったと、私は感じます。
ただし、この大きな2つの改変によって、2人の恋愛物語にも大きな手術が必要となりました。
なぜ2人が再会してすぐ惹かれ合ったのか、そしてなぜ別れなくてはならなかったのか。その納得度が???だったのは、法的にギリギリの表現で収めるために重要なエピソードを2つも改変したゆえの、バーターだったのかもしれません。
原作よりイイ男度10倍増しの阿部サダヲさん
今回のドラマで、鍛え抜かれた全裸シーンを披露した磯村勇斗さんに「だめキュン」した女性が多かったのと同じくらい、視聴者のハートを奪っていったのが、阿部サダヲさんでした。大人の男の魅力満載で、SNSでは「丸太郎沼」というハッシュタグが乱立したくらい。
な、の、で、す、が!!!
この阿部サダヲさん演じる、100年に一度の逸材落語家、今昔亭丸太郎。原作よりドラマのほうが、10倍かっこいいんですよ。
そして、仲里依紗さん演じる蒲原まりも、原作よりドラマのほうが健気で母性にあふれていて、そして、やっぱりクリーン。
「まる&まり」(丸太郎&まりさん)ファンのみなさんは、原作見るとショック受けるかもしれないけれど、ごめんなさい。書いちゃう。原作では実は途中から、まりさんが丸太郎さんに迫るんですよね。
でも、ドラマでは、最初から最後まで丸太郎さんにまりさんを口説かせる。そして、まりさんに、ギリギリまで貞操を守らせる。しかも、まりさんが最後の一線を超えるのは、家庭内レイプともいえる暴行を経ての決断なのですよね。
これがやはり、本来許されてはいけない「まる&まり」の恋を、視聴者的にセーフにした理由だと思うんです。
男性に惚れ抜かれて、でもプラトニックを貫き通して、最後の最後で一線超えた理由が夫の暴行。これだけ伏線はられると、心情的に「許す!」「応援する!」ってなってしまうと思うの。
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