すぐ「できない」と言う子を変える声かけのコツ 五輪選手を生むメンタルコーチの指導法とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これは人間にもあてはまります。かつて100メートル走で、人間は10秒の壁を越えられないと信じられていました。でもカール・ルイスが10秒を切った瞬間、その思い込みが消えたのです。その後は、9秒台を出す人が続出しました。

ですから、子どもが無力感に襲われているときは、誰か同じようにできなかった子がやり遂げた姿を探しましょう。

例えば、「水泳で50メートル泳げるようになりたい」という目標を持っているなら、50メートルをクリアした友達に泳いでもらうといいでしょう。目の前で自分の同級生が50メートル泳ぎきる姿を見ると、「あいつができたんだから、自分もできるかも」と刺激を受けるはずです。

無気力の原因を探るとともに、身近な成功モデルを示せるといいでしょう。

親としては、「言い訳ばかりで何もやらないね」「あの子ができるのに、なんであなたはできないの?」といった声かけはNG。「失敗したっていいんだよ」「大丈夫、やってごらん」と、失敗してもチャレンジしたことを褒めてあげましょう。

子どもの「自分ルール」を壊そう

また、チャレンジする前に尻込みしてしまうタイプの子どもも少なくありません。

能力はあるはずなのに消極的で、チャレンジできない──。こんな子どもはたいてい、失敗に対する自分ルールを持っています。

つまり、「失敗は許されない」という自分ルールがあるのです。そのため、行動できないのです。もし、「失敗は成功のもと」という自分ルールを持っていれば、果敢にチャレンジするでしょう。

よくある自分ルールには次のようなものがあります。

・結果がすべてである
・失敗してはいけない
・完璧にやらなければ意味がない
・正解は一つしかない
・私は愛されていない
・私は劣っている

どういう自分ルール(信念・思い込み)を持っているかで、結果、つまり行動が変わってきます。この関係を表したものを、「ABC理論」といいます。

「ABC理論」(出所:『脳科学×心理学 うちの子のやる気スイッチを押す方法、教えてください!』より)
次ページ子どもの行動が問題だと思ったら…
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事