年収762万以下は通勤手当廃止で年金減の危機 コロナ禍の実費支給が思わぬところにシワ寄せ

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Aさんは52歳。60歳までテレワークでの勤務形態を続け、年収490万円を維持するとします。通勤手当が減ることにより、老齢厚生年金は年間で約2万6400円少なくなります。仮に、65歳から男性の平均寿命82歳まで受け取った場合、44万8800円の年金が減ってしまうことになります。

一方のBさんですが、Aさんとは違って老齢厚生年金の受給額には影響がありません。というのも、厚生年金保険料を算出する際の年収にも上限があるからです。

直近では、2020年9月に厚生年金保険料を算出する際の給与上限は月額63万5000円(年収ベース762万円)以上に引き上げられました。Bさんの年収は通勤手当が削られたとしても916万円ですから、受給額には影響がありません。

通勤手当の支給額が大きい会社員は要注意

年収762万円以下で通勤手当の支給額が大きい会社員は注意が必要です。老齢厚生年金が減ってしまうかどうかについては、ねんきん定期便で確認することができます。年に1回誕生月に届き、「最近の月別状況」欄に記載されている「標準報酬月額」を確認します。ここには直近1年間の状況が書かれています。金額が減っていたら老齢厚生年金の受給額が減ることを意味します。

以上、通勤手当の廃止に伴うマイナスインパクトについてお伝えをしてきました。会社によっては通勤手当に代わり在宅手当などの支給を始めるケースもありますし、テレワークがいつまで続くかもわかりません。また、受け取るかどうか、わからない介護休業給付が減ることを今から心配しても仕方ありません。重要なのは、自分にとっての影響を想定しておくこと、それに対してどのような対策が必要か考えておくことです。

例えば、通勤手当が高額な場合は会社に確認してみる、あるいは老後の年金が減るのであれば自助努力で備えるなどです。将来が不確定な時代だからこそ、事前に想定することでダメージを避けたいものです。

三原 由紀 プレ定年専門ファイナンシャルプランナー

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みはら ゆき / Yuki Mihara

バブル期にOLを経験、子育て中で外に出られないときに同じアパートに住むママ友3人で株のネットトレードを始め、夫にナイショのままコッソリ1000万円以上の利益を達成。子供の小学校入学を機に保険代理店でパート開始し、FP資格を取得。「無知はリスク(知らない=損をしていることもわからない)」を実感して、自らの家計を再生。40代・50代に向け、プレ定年夫婦専門FPとして「お金で揉めない夫婦関係を構築」「50代からでも間に合う家計立て直し」を提案・実行支援する。保険や金融商品を売らない独立系FPとして活動中。「確定拠出年金相談ねっと」認定FP。三原由紀公式サイト

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