ジム・ロジャーズ「年金はますます目減りする」 逃げ切れると思っているなら大きな間違いだ
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。今回は『ジム・ロジャーズ 大予測:激動する世界の見方(東洋経済新報社) 』から、海外投資と海外移住、子供の教育についてお伝えします。
もはや日本にいても、海外投資が不可欠
大投資家のジム・ロジャーズ氏は断言します。「残念ながら、これから日本は確実に貧しくなっていく。財政赤字が膨らんでいく一方で、日銀が金融緩和でお金を刷り続けている以上、将来、円の価値は確実に下がるからだ。円がいまの価値を保っているうちに、早急に海外に資産を移すことを勧めたい」
日本にいると、日々のニュースは「今日の新型コロナウイルス感染者は何人出たか」や「特別定額給付金はいつになったら届くのか」などの話ばかりのようですね。
しかし「その裏」では、英格付け会社のフィッチ・レーティングスがコロナの影響で邦銀を格下げしています。例えばみずほフィナンシャルグループとその子会社の存続性格付けは「BBB +」へと引き下げられました。これに対して私が今住んでいるシンガポールの3大銀行の同格付けは「AA -」と、日本のメガバンクよりも高格付けです。
日本人は依然として銀行の預金保険や保護される金額の範囲を気にする人が多いかもしれません。しかし、私は、そのような預金保護の話は、他の国の人からは聞いたことがありません。むしろそれよりも、フィッチのような会社が行っている銀行の格付けや財務基盤を見て、お金を預けるかどうか判断をしている人が少なくありません。
ロジャーズ氏はこう言います。「現在、多くの資産を持っている高齢者たちは、基本的には円高の時代を生きて来た人たちだ。円で資産を持っていれば、その価値は相対的に上がっていった。だから、現金を主体に貯金を増やしていくという行動は、大きく間違ってはいなかった」。
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