フェリシモが「猫グッズ」を作り続ける深いワケ 「猫の肉球」の香りがするハンドクリームとは?
11月末までで累計約21万個売れているという「にゃんそうこう」は、猫にひっかかれた傷さえも自慢したいという、猫好きの心理を的確に捉えた商品。
猫が「私がやりました」と犯行を自白している猫漫画家山野りんりん氏のイラストもユニークで、猫好きなら相好を崩さずにはいられない。
自分の傘がすぐわかるよう、目印としてつける傘タグは、そのアイデアも画期的だが、猫のフィギュアの再現度が秀逸だ。サンプルづくりを何度も重ねて今の形にたどり着いたのであろうと感じさせる。
売り上げの一部を支援団体に寄付
さて、同部が猫好きたちの間で注目されている理由は、こうした猫グッズでヒットを次々に飛ばしていることだけではない。2003年から始めた「わんにゃん支援活動」の一環として約4億3000万円の基金(2003年6月〜2020年11月末)を集め、保護活動に活用しているのだ。
基金の内訳は、猫グッズの価格のうちの5%程度が寄付にあてられる「基金付きグッズ」の販売や、月々100円から寄付ができる「フェリシモ わんにゃん基金」など。動物を保護し里親探しをする活動や、野良猫の繁殖防止活動、「地域猫活動」などの支援団体に送られている。
また、本社にある施設を保護猫譲渡会に貸し出す活動も行っているそうだ。
同部の立ち上げ当初からの目標が、殺処分を少しでも減らし、真の意味で猫と人がしあわせに共生できる社会をつくっていくこと。この目標に賛同するファンやユーザーが、グッズの購入を通じて活動を支援したり、同部の活動そのものを応援しているのだ。
なお、地域猫活動とは、飼い主のいない猫に餌をやる、不妊手術をする、トイレの世話をするなどの幅広い活動を含む。目的は、地域の中で住民の理解を得ながら、最終的には飼い主のいない猫を減らしていくことだ。
一昔前は「猫に餌をやる」迷惑行為といっしょにされることも多かったが、近年、ボランティアや地域住民と手を結んで、積極的に取り入れる自治体も増えてきている。
神戸市においても地域猫活動に行政の支援が得られるようになった。「神戸市人と猫との共生に関する条例」が2017年4月から施行。「神戸市人と猫との共生推進協議会」も発足して、市との連携のもと、共生社会に向けた活動を行っているところだという。
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