フェリシモが「猫グッズ」を作り続ける深いワケ 「猫の肉球」の香りがするハンドクリームとは?
部活動としてはほかに、「女子DIY部」「おてら部」「ミュージアム部」などもある。ミュージアム部はオンラインストアやアートの展示会などでグッズを販売しているそうだ。そうした部員たちは本業を担当する傍ら、業務時間のうち2割を部活動にあてているという。
しかし猫部は2015年3月、社として事業化できるほどの規模の売り上げをあげたということで、部活動から部に昇格。ヒット商品としては、先に挙げたハンドクリームや、猫漫画家のイラストを採用した「にゃんそうこう」、傘の柄につける猫の姿をかたどった傘タグなどがある。
これら猫部のグッズがなぜそこまで売れたのか、その理由を、松本氏は次のように分析している。
「世の中には、単に『かわいい』とか、『はやっているから』というだけで猫を使っている商品もあります。でも、猫好きな人にはそうした高をくくった姿勢はすぐにわかってしまうんです。それに対し、部員は四六時中猫のことを考えています。自分で飼っている人もいるし、保護猫カフェに通う人もいる、とにかく、猫のことを考えて商品を企画する。それが大きな理由だと思います」(松本氏)
肉球はポップコーンのような匂い?
具体的には、イラストでも立体物でも、猫のシルエット、表情を大切にしている。理想の形に近づけるために何度もサンプルをつくることも多いそうで、猫部のサンプル数の多さは社内でも上位のほうに数えられる。また猫用クッションなど、猫が使うものについてはモニター猫に試用してもらう。猫を飼っている部員や、保護猫カフェに協力をお願いするそうだ。
肉球の香りハンドクリームについては、「猫の肉球を嗅ぐのが好き」という“猫好きあるある”からの発想。SNSで肉球の匂いについてのアンケートをとったところ、「ポップコーンのような匂い」という回答が多かった。その香りをもとに、調香会社の社長に保護猫カフェで肉球の匂いを嗅いでもらい、調合した香りだそうだ。
実際につけてみると、トップノートはかなり甘い、スイーツのような香り。時間が経つと、ポップコーンのような香ばしい匂いが感じられるようになった。
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