超名門大MITが音楽を学ぶ絶好の場と言える訳 創造的な問題解決には人文学やアートが不可欠
物事の解決策は、過去に学んできたことの延長線上にあるとは限らず、まったく異なる視点から新たな発想が生まれることも少なくない。広い視野を得ることが、将来的にイノベーションにつながるということなのだろう。
MITの人文学・芸術・社会科学部は、学生に身につけてほしいツールキットを、「クリティカル・シンキング(批判的思考)、歴史や他文化への理解、数学と統計を運用・分析する能力、優れた文学者や芸術家の洞察に触れること、実験への積極的な取り組み、変化を受け入れること、曖昧さに方向性を与える能力。そして芸術や人文学で培われる創造力」と位置づけているそうだ。
なかでも「芸術や人文学で培われる創造力」に関して著者は、まさにそのとおりの授業内容と感じたと記している。そして「未来を生きる世代に必要なこと」として4つのポイントを挙げている。それぞれ確認してみよう。
「この問題を解決したい」「この社会や環境をよりよく変えたい」というような問題意識、発想力、創造力は、自分の感覚で感じ、身体で経験した知や感情から生まれるものである。
したがって重要なのは、幼少期に抱いた好奇心や疑問、自分や家族、友人知人の悩みに共感し、その解決を志したことなどだ。自分の内部の小さな気づきが問題解決の糸口となり、それが新たな社会の創造につながる可能性もある。
自分を知ることが出発点で最も重要
だからこそ、まず自分を知ることが出発点であり、最も重要なことでもあるのだ。そして、そこで音楽が役立つのだという。音楽は、自分の身体感覚や生理的反応を知り、内的な思考を促す機会にもなるからだ。
単なる音楽鑑賞だけではなく、自分の体験や感覚と結びつけて聴くことも、大切な自己探究の時間になるということである。
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