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超名門大MITが音楽を学ぶ絶好の場と言える訳 創造的な問題解決には人文学やアートが不可欠

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たとえば「西洋音楽史入門」で、まず時代・様式・形式などの歴史的変遷を大局的・体系的に学ぶ。その際に意識されているのは、上位クラスへ進んだとき、学んだ知識を生かして新しい曲を分析・創造できるようにするという点だ(学んだ曲を一曲一曲暗記するのではなく、流れや仕組みを理解すること)。
学びが進んだ段階の「調性音楽の作曲」「20世紀音楽の作曲」などの授業では、まず既存の作品を分析し、どのような意図で書かれているのか、それがどのような音楽的要素に反映されているのかを読み解き、その上でオリジナルの作品を書く。その折、コンピューターサイエンス専攻の学生が優れた分析力を発揮していたのを思い出す。
(298ページより)

コンピューターサイエンス専攻の学生が力を発揮したという記述は、どことなく冒頭で触れたトム・ショルツの話を思い出させもする。

いずれにしても、豊かな想像力と創造力が求められる時代には、脳の使い方も変わる必要があるのかもしれない。

従来のような先の見える社会では、教育や就労において左脳が重視されてきた。だが現代は、「どう社会を変えるのか」「どんな未来を創るのか」といった明確な答えのない問いがわれわれに迫ってきている。

そうした状況下で求められるのは、いままでにない発想やイノベーションを生む力、起業家精神など。いわば、右脳がより重視されるようになっているのだ。

右脳は秩序立っていないが多くのイメージや音の可能性をもつ領域だ。暗記したものを素早く取り出す左脳的な問いではなく、「なぜ」という右脳に訴えかけるような問いは、その問題の原点に立ち返らせ、そもそも何が問題なのかをあらためて問う。そこから全体を見直していく。つまり大局的・複眼的視点をもつことを促されるのである。
(300ページより)

そこに飛び込んでいくことは「可能性の領域」への挑戦であり、恐れでもあるだろう。だが、そこにこそ新たな視座が見いだせるかもしれないのである。

MITと音楽との関係を立体的に把握

著者は、海外での音楽教育取材・国際コンクール演奏評をもとに、「音楽で人を育て、社会をつなげること」をテーマに調査研究・執筆・講演などを行う音楽ジャーナリスト。

本書の執筆に際しても綿密な取材を行っているであろうことは、内容の充実度からも明らかである。教授から学生まで、MITに関わる多くの人々から話を聞き、授業内容を具体的に解説し、授業で使われている楽曲のプレイリストまで公開しているのだ。

そのため読者は、MITと音楽との関係を立体的に把握することができるわけである。

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