超名門大MITが音楽を学ぶ絶好の場と言える訳 創造的な問題解決には人文学やアートが不可欠
人には本能的に安定を求める性質があり、積み重ねてきた経験を軸に思考・行動をすることが多い。ところが本来は、それ以外にも多くの知覚の可能性があるものだ。そこで、経験から得た思い込みを外すことが必要になる。
それは脳の「可能性の空間」を広げることにもなるが、未来を想像し、創造する役割を担っている科学者やエンジニアたちにとって重要なことでもあろう。
そもそも西洋音楽は緊張と解放でできており、予測不能な展開も多くある。
音楽には、人間の人間らしさが最も顕著に表れる。数字で端的に割り切れるのとは異なる世界観をもたらしてくれるのはそのせいだ。効率重視の科学技術にはない神秘性や不確実性を体感すれば「可能性の空間」を広げることができ、人間の潜在能力をさらに引き出すことができるようになるのである。
物事はひとつの要因だけで合理的に成り立っていない
MITの授業には人文学・芸術科目だけに限らず、科学・工学・コンピューターサイエンスなどあらゆる分野の科目のなかに「コンテクスト・文脈を読み解く」というシチュエーションがあるそうだ。
物事はひとつの要因だけで合理的に成り立っているわけではなく、その背景に多くの複雑な要因や可視化されない動機を含んでいることもある。したがって、それを読み解くには「より大きな全体」を見る目を養う必要があるわけだ。
音楽においても、求められるのは「全体を見ること」、そして「複雑な文脈や隠れた意図を読み解くこと」である。
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