【産業天気図・半導体】需要戻り基調でメモリなど利益急伸、装置も上向き。来春まで「晴れ」の活況
東芝<6502>は、NANDフラッシュメモリが増益基調。またシステムLSI、ディスクリートも水準は低いが収益改善しており、半導体事業全体でも増益となる可能性が高い。今後の焦点は、NANDフラッシュの増産投資判断だろう。4月にルネサステクノロジと統合するNECエレクトロニクス(社名変更しルネサスエレクトロニクス)<6723>(NEC<6701>、日立製作所<6501>、三菱電機<6503>の持ち分適用会社)はメモリに比べると遅れ気味だが収益は上向き。11年3月期は営業黒字が見込めそう。ただ、工場再編などによりリストラ特損が出る懸念がある。
この環境の中、09年前半には凍結に近かった半導体メーカーの設備投資が再び動き始めている。微細化投資に続き、一部では増産投資も出始めた。このため、半導体製造装置メーカーも受注上向く活況にある。09年の半導体製造装置販売額は前年比46%減(国際半導体製造装置材料協会(SEMI))だったが、10年は5割超の増加が予想されている。東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>の収益は黒字化、ディスコ<6146>は利益を拡大しそうだ。とはいえ、シリコンサイクルの前回の山に比べた利益水準では会社ごとの差が大きくなりそうだ。
(山田 雄大)
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