自動車の起源は5500年前の「ろくろ」にあった 「古代文明」にたどり着く現代の暮らしのルーツ
人類がはじめて靴を履いたのはいつのこと? 古代エジプト人が試みた手術とは? 世界最初のチェーンストアはどこの国で生まれた? 1977年に日本の研究所が世界に先駆けて生み出したものとは?
ボタン、ホットドッグ、スーパーマーケット、コンタクトレンズ、数字、タイプライター、歯科ドリル、電気自動車、裁判官、憲法、貨幣、小説、テニス……。私たちは先人たちが生み出した数々のイノベーションによって、日々の生活を営んでいる。では、それらイノベーションは、いつ、誰が、どのようにもたらしたものなのだろうか? 世界を知り、未来を切り拓くためには、文明がどのように発展してきたのかを知ることが不可欠だ。このたび上梓された、ネジから女性の権利まで、人類文明における「はじめて」を網羅した、『なんでも「はじめて」大全』から、一部を抜粋・編集してお届けする。
世界最初の車輪は焼き物作りのろくろ
はじめての車輪(回転する輪)は、焼き物作りの「ろくろ」として利用された(紀元前3500年頃)。
メソポタミア(イラク)か東ヨーロッパの天才がろくろの回転をじっと見つめながら、回転する輪を縦にすれば転がること、そうやって縦にした2個の車輪を台の両脇につければ荷車ができることに気づくまでには、300年ほどの時間が必要だったようだ。
そう気づいたのがいつだったかを正確に突きとめるのは不可能だが、現存している最古の運搬用の車輪を確かめることはできる。それはリュブリャナ市(スロベニア)近くの湿地で発見されたもので、セイヨウトネリコとオークで作られた車輪はおよそ5200年前のものだと考えられている。
ポーランドでは4輪馬車と思われるもっと古いスケッチも見つかってはいるが、議論の余地のないはじめての戦車、チャリオット(戦闘用馬車)の絵が、「ウルのスタンダード」と呼ばれる4500年前のシュメールの木製の箱に描かれている。
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