沖縄で進む「LGBT理解」、仕掛け人が貫く信念 主導する2人のホテル経営者の思いとは

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行政もLGBTに関して動き始めた。那覇市は2015年に全国2番目となる「性の多様性を尊重する都市・なは宣言」(レインボーなは宣言)を行い、翌年には同性パートナー同士を結婚相当と認める「パートナーシップ登録制度」を導入した。

さらに今年9月、玉城デニー沖縄県知事は県議会の代表質問で「性の多様性宣言(仮称)」の検討を表明。実現すれば、都道府県で初の「宣言」となる。11月には検討委員会を発足させ、議論を進めている。その委員でもある高倉氏は「沖縄観光にとっても100%プラスになる」と歓迎する。

すべての人に優しい沖縄に

観光立県・沖縄の在り方として、高倉氏は「ダイバーシティー(多様性)アイランド」、田中氏は「レインボーアイランド」を訴える。その意味するところは「多様性を受け入れ、すべての人に優しい沖縄」だ。

ピンクドット沖縄の理念にも通じ、代表の高倉氏も「ピンクドット沖縄の立場として、当事者や活動家の方も巻き込んで社会の流れを変えていきたい」と意気込む。

実際、一般財団法人沖縄観光コンベンションビューローも昨年3月、「ダイバーシティツーリズムアイランド」の形成を提言した。県は「『誰もが楽しめる優しい観光地』を形成することで、世界中からLGBTの方々にお越しいただけると期待している」とし、2018年度から観光事業者向けのLGBTセミナーを開催している。

LGBTなど多様性を受け入れることは、ウィズコロナ、アフターコロナにおける沖縄の観光戦略の重要なカギにもなりそうだ。

眞崎 裕史 ノンフィクションライター

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まっさき ひろし / Hiroshi Massaki

1981年生まれ。高知新聞記者、琉球新報記者を経て、2020年5月からフリー。高知新聞時代は労働や福祉、戦争体験者の取材などに注力。同紙の戦後70年企画「秋(とき)のしずく 敗戦70年といま」の取材班として、第20回新聞労連ジャーナリズム大賞優秀賞を受賞。現在、ノンフィクションライター、フォトグラファーとして「米軍基地と人々」「LGBTQと社会」などをテーマに沖縄県内外のメディアに執筆している。

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