7月に権威のある医学誌『ランセット』で「セックスワーカー(風俗嬢)にも定期検査が必要」と書かれていた。日本の議会や学術会議で問題にされたという話はついぞ聞かない。「臭いものに蓋をする」文化ゆえ仕方のないことかもしれない。
一般人の知らない世界でもコロナ感染は拡大しうる。Go Toを見直し、再度ロックダウンしたとしても、コロナ蔓延を防げるとは限らないということだ。
コロナに感染していても重症化しない若者や、長期間ウイルスを排菌し続けている患者症例の報告も相次いでいる。
上述したとおり、得体の知れない未知のウイルスとして扱われていた4月頃と比して、若者の認識はすっかり変化した。若者が重症化しにくいことは世界中で同意を得られている。彼らに行動制限をし続けることは現実的だろうか? ましてや、政府はGo Toプランを立てて消費を促す政策をとっている。
エッセンシャルワーカーも同様
この流れに乗じるのは、一般の若者だけではない。医療従事者や介護従事者などのエッセンシャルワーカーとされる職種の人々も同様である。
全国各地の病院、介護施設でクラスターが連日発表されるが、院内のスタッフ由来の感染は相当含まれているはずである。現在、新規入院患者はスクリーニング検査としてPCR検査もしくは抗原検査を施されるケースがほとんどである。入院患者からスタッフが感染する可能性は非常に低い。
コロナに限らず、有症状の感染者を扱うのは医療従事者にとって、感染防御はそれほど困難ではない。有症状者がとくに感染力が強いというエビデンスもない。コロナ感染を蔓延させているのは、無症状の感染者なのだ。病院内での感染拡大はほとんど「うしろから撃たれているケース」によるといっても過言ではない。
もしスタッフから陽性が出たらどうしよう? そう考えるゆえ、検査を推し進められない施設は少なくないし、実際に耳にする。陽性スタッフが働いている可能性を黙認しているということだ! 恐ろしいことだ。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大によると、メイヨークリニックのコロナ感染と診断を受けた職員900人のうち、90%以上が地域社会からの感染だったと発表した。
『Cell』11月4日オンライン版に掲載された事例だ。アメリカ・ワシントン州カークランドで、70日間以上ウイルスを排菌し続けた71歳の女性白血病患者が確認された。この女性は検査で陽性とされた期間ずっと無症状だったという。
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