自粛期間に「一躍有名になった料理人」の正体 「#おうちでsio」がツイッターで話題になった

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レシピでは「毎日しなければならない料理のハードルを下げる」「再現性が高い(料理下手でもおいしく作れる)」「家にある調理用具と、スーパーで簡単に入手できる食材で作れる」「10分程度で作れる」などをルールとして決めた。

例えば評判になったメニューの1つが、ナポリタンだ。ナポリタンと言えば、家庭的なスパゲッティの定番ではあるが、sioのレシピでは、素人でもできる、プロならではのひと工夫が加えられている。

ナポリタンではケチャップが味の決め手だが、普通につくるとケチャップの味が強く出すぎる。そこで具材を炒めるとき、そして仕上げと2段階に分けて投入。これにより、旨味と酸味のバランスがよくなる。また、生クリームを加えてまろやかさを出している。

おうちでsioの人気メニュー、ナポリタン。料理下手な人でもプロの味が再現できる。丸の内のo/sioではランチ時間帯、サラダ・唐揚げつきのセットを1000円で提供(撮影:尾形文繁)

ちょっと芯が残るぐらいのほどよい硬さ(アルデンテ)に茹でるためのパスタのサイズと茹で時間を丁寧に示しているのもポイントだ。

しかし「家で作れるのだから」と、店にお客が来なくなる心配はなかったのだろうか。

「そこまでは考えず、困っている人が多いだろうという気持ちから始めたので。ただ、家で作っておいしい、じゃあお店に食べに来たらどんなだろうと、答え合わせをしに来てくれるお客様は増えました。結果的にお店にとって新しい層を獲得できましたね」(鳥羽氏)

7000だったフォロワー数が5万8000に

具体的には、7000だったSNSのフォロワー数が5万8000にふくれあがったという。

もともとレストランsioは、SNSを活用し、ターゲットを絞った集客を行ってきた店舗だ。というのも、メニューは鳥羽氏がインスピレーションを感じた素材をもとに、戦略的に組み立てた10皿から成るコースのみ。素材についての蘊蓄から、コース設計の理論についてもあわせて味わうのがsioにおける流儀だ。

コース料理の一例。素材を生かした調理法と理論によって組み立てられた斬新なコース構成が特徴。2カ月に1回、季節に合わせてメニューを変更(編集部撮影)

「提供するコースではストーリーを持たせています。例えば、野球の打線で言えば、全部四番打者が出てきたり、映画ならすべてがイケメン俳優のキャストだったら面白いかという話です。いや、いろいろな役割があるだろうと。例えば最初にとても優しい味のスープを出すのですが、何も知らなければ『味が薄い』と思うかもしれない。でも、次に出す料理に合わせてあるということを知っていれば、味わい方も違いますよね」(鳥羽氏)

コースについての説明は、noteという媒体を使って発信。予習してくる客もいれば、食べた後に読んで答え合わせをする客もいる。

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