自粛期間に「一躍有名になった料理人」の正体 「#おうちでsio」がツイッターで話題になった

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グルメな人や飲食のインフルエンサーに向けてというよりは、体験価値を求める人、クリエイター層に向けて情報を発信し、狙い通り「面白い」と思ってくれた人が集まってきたというイメージだそうだ。

「おうちでsio」による取り組みは、顧客の裾野を大きく広げる結果となったのだ。その分、幸せの分母を増やすという鳥羽氏の目標に近づいたわけだ。

「バインミー」のテイクアウトが人気に

ただし、戦略的に狙ったわけではないという。コロナへの対応にもそれが表れている。テイクアウトは3月29日というかなり初期段階から開始。ウーバーイーツをもじった「トーバーイーツ」と称し、自社の従業員が自転車や車で宅配も行った。

「ビジネス的な計画性というよりは、目の前のお客様が求めているものを提供したいという思いから始まっていることが多いです。テイクアウトについては、毎日のように5000円のオードブルは食べられないよね、1000円ぐらいでお店の味が感じられるメニューを出そう、ということでバインミーを開発したら、これも非常に当たりました」(鳥羽氏)

爆発的な人気を博したバインミー。11種の具材が混じり合う、奥深い味わいが特徴(写真:sio)

「バインミー」とはsioのヒットメニューの1つで、ベトナム発祥のサンドイッチ。奥深い味を出すために11の具材や調味料を使っている。当然、原価も高くなってしまうため、1000円でも利益が出ないほどだそうだ。今はsioの別業態の店舗である、「パーラー大箸」で提供している。

現在もまた東京では時間短縮となり、飲食店にとっては厳しい状況が続く。どの店も、倒産の危機を間近に感じているところだ。

「当社も緊急事態宣言下は商業施設が閉館したので、テナントとして入っている店が営業できず、かなり厳しい状況でした。でもうちはぶっちゃけ『潰れてもいい』と思ってやっている。バインミーも出前も、利益を考えたら普通はできない。そこを『お客様が求めているものは何か』を最優先するのがうちのコンセプトで、そこはぶれないから、スピーディに対応できるんです」(鳥羽氏)

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