松山三越「フロア3分の1」の荒療治で示す覚悟 生き残りをかけて地方の百貨店が大胆リストラ

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その1つが2020年2月から始めた「デジタルサロン」だ。松山三越から撤退したアパレルブランドでも、三越伊勢丹HDの旗艦店である日本橋三越本店や伊勢丹新宿店にある店舗の従業員とリモートでつなぐことで、顧客は都心店にある商品を取り寄せられる仕組みだ。

浅田社長は、「この夏に松山三越から撤退したブランドがあったが、日本橋の店舗とつなぐことで売り上げがびっくりするくらい上がった」と話す。

従業員が働く場所は激減

大幅改装によるテナント構成の見直しで、「家賃収入で(収支は)とんとん以上が取れるようになる」と浅田社長は語るが、テナント比率が高まる結果、松山三越の従業員が働く場所は激減する。

2020年12月末まで行っている希望退職では、従業員約250人のうち約200人が応募したとの報道もあるが、会社側は具体的な数字を開示していない。浅田社長も、「新しい館(=松山三越)が今までの百貨店とまったく違ってくる中で、適正な人数にする」と述べるにとどまる。

百貨店業界が成長してきた時代には、日本橋や新宿など都心店の構成をそのまま郊外店や地方店に持っていけばよかった。しかし、時代は確実に変わっている。地域ごとに求められる「新たな百貨店」に向け、模索を続けるしかない。
 

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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