松山三越「フロア3分の1」の荒療治で示す覚悟 生き残りをかけて地方の百貨店が大胆リストラ

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購入金額が大きく外商担当者がついているような優良顧客は、車で来店し建物の上層階にある駐車場から店内に入ることが多い。ところが最初に目にする売り場は、7階にある催事場だった。催事場は一般顧客を集める役割を担っているが、優良顧客のニーズとマッチしているとは言いがたい。

一方で一般顧客は1階から入店することが多いにもかかわらず、大理石を配置するなど重厚な雰囲気を醸し出しながら化粧品を販売していた。

大規模改装ではそれらの反省を生かすことにした。1階は従来の化粧品や服飾雑貨ではなく、地元産の食材やスイーツなどの食料品売り場を配置し、”集客源”とする狙いだ。

デジタルの活用で新たな売り上げを狙う

上層階は来訪目的が明確な顧客を有するテナントを配置する。5~6階は「ビューティー&ヘルス」のコンセプトを掲げフィットネスクラブなどが、7~8階は地元・愛媛県出身のデザイナーがプロデュースするホテルが入る。

2~4階に集約する百貨店店舗は会員カード情報を分析したうえで、黒字の店舗のほか、洋服と靴など商品カテゴリーを超えて買い回りを促しているブランドを残した。3フロア内を顧客が回遊してくれるのが理想だ。

「優良顧客は底堅く存在する」(浅田社長)と見て、4階には優良顧客向けサロンを設置。上層階の駐車場に車をとめて来店する顧客をまず4階でもてなし、下の階へ降りてもらう構成に変えた。

収益性が高いものの、年々売り上げが落ち込んでいた衣料品売り場も大きく変える。2~3階と2フロアを使用していた婦人服と4階にあった紳士服の売り場は大幅に圧縮。一方でデジタルを活用した売り上げを確保する取り組みも同時に進める。

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