「新宿」ビックリするほど激変する再開発の全貌 渋谷の次はこの街が主役、先手を打つ小田急
渋谷の次は新宿だ。「世界一の駅」をめぐる再開発計画の全貌が見えてきた。
東京都内における再開発の主役はおよそ10年周期で入れ替わる。2000年代は六本木ヒルズ、東京ミッドタウンを主軸とした六本木エリアが主役だった。
2010年代の主役は渋谷駅周辺エリア。2012年開業の渋谷ヒカリエを皮切りに、昨年11月には渋谷駅直上に高さ約230メートル、地上47階建ての渋谷スクランブルスクエア東棟、12月には東急プラザ跡地に地上18階建ての渋谷フクラスが開業した。さらに今年に入ると1月に銀座線の渋谷駅に新駅舎が誕生、6月には山手線から遠く離れた場所に位置していた埼京線ホームが山手線ホームと並列化し、利便性が大幅に改善された。
新宿駅地下に東西を結ぶ自由通路が完成
その渋谷駅に続き変貌を遂げようとしているのが、2020年代の主役になるであろう新宿駅エリアだ。今年7月、新宿駅地下に東西を結ぶ自由通路が完成した。それまでの東西の移動は新宿駅北側の地下道やガード下を通るか、南口前の甲州街道に回るかしかなかったが、新宿駅の中央を貫く新たな通路ができたことで、東西の導線が明確になった。
この自由通路は都と新宿区が2017年に発表した「新宿グランドターミナル」計画の一環だ。新宿駅、駅前広場、駅ビルを一体化した大型の再開発で、すでに完成した地下の自由通路のほか、線路上空にも東西をつなぐデッキを設ける。東西の駅前広場は車優先から歩行者優先に再編成する。新宿駅に乗り入れるJR東日本、小田急電鉄、京王電鉄、東京メトロに加え、歌舞伎町付近に駅を構える西武鉄道も事業者として名を連ねる。
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新宿駅再編に伴う駅ビル開発で口火を切ったのは小田急だ。同社は小田急百貨店が入居するビルをはじめ、新宿駅西口に複数の物件を保有する。2011年には駅西口前にある新宿スバルビルを取得するなど、都や区が計画を発表する、ずっと以前から西口再開発に意欲を燃やしていた。新宿グランドターミナル計画が浮上したことで、小田急の計画もその一環として策定されることになった。
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