松山三越「フロア3分の1」の荒療治で示す覚悟

生き残りをかけて地方の百貨店が大胆リストラ

百貨店売り場の構成を見直しフロアを大幅に圧縮する愛媛県の松山三越(写真:松山三越)

1階が化粧品で2~4階に婦人服と紳士服、上層階は呉服や催事場。それが典型的な百貨店の売り場構成だった。そのオーソドックスな構成を思い切って崩そうとしている百貨店がある。2021年秋に改装オープンを予定する松山三越(愛媛県松山市)だ。

2020年9月の改装工事着工前、松山三越は地下1階の食料品売り場から8階のレストランまで9フロアを百貨店として使用していた。改装後はそれを2~4階の3フロアに集約する。百貨店が伝統的に1階に置いてきた化粧品売り場は2階に移転。改装前に計3フロアを占めていた婦人服と紳士服の売り場は大幅に面積を圧縮する。

分社化以降は赤字続き

松山三越の強みは好立地にある。路面電車の走る通りに面しており商店街も近い。しかし、松山市内では、いよてつ高島屋に続く2番店という位置づけだ。ティファニーなど高級ブランドはいよてつ高島屋に移転し、店舗撤退などで売り上げをほとんど生まない区画が多数生まれていた。

苦境は業績にも表れている。2020年3月期の売上高は前期比10.4%減の117億円、営業損失は8.1億円(前期は5.3億円の営業損失)だった。最終損益に至っては、親会社の三越伊勢丹ホールディングス(HD)から分社化された2009年以降、一度も黒字化していない。

「中途半端なリニューアルやリモデルではなく、根本から変える覚悟を持った投資であれば、この立地なので『できる』と思った」。松山三越の浅田徹社長はそう振り返る。2018年4月に三越伊勢丹HDの関連事業本部飲食・ブライダル事業部長から松山三越社長に転じてすぐ、来店した顧客の行動を分析するよう社内に大号令をかけた。その結果、判明したのが顧客の流れとフロア構成の間で生じていた「ズレ」だ。

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