「話すことがない」と悩む就活生が持つべき視点 エントリーシートは「小さな成長物語」でいい
大学3年生もインターンへの参加など、就職活動を始めている。例年であれば、会社説明会に行き、そこで出会った他大学の学生と就活の悩みや進捗を話し合うこともあっただろう。しかし、新型コロナウイルスの蔓延によって、状況は一変した。就活にもオンラインの流れが生まれ、孤独と戦いながら就活を行わざるをえなくなった。
学生活動を制限された人も多いだろう。部活やサークルに力を入れたいと思っても、大学構内に入ることさえできず、仲間と会うこともできない。アルバイトも同様だ。おのずと「エントリーシート(ES)に書くことがない」という悩みが生まれる。私のもとには、過去に執筆した書籍を手掛かりに、ESの書き方に関する助言を求める連絡が届いている。
本稿では、この時代に就活に立ち向かうあなたに、「言葉」という側面から役立つであろう知見を記していく。ESから面接まで、就活は言葉を媒介として行われるコミュニケーション活動である。20年近く言葉を生業としてきた私の経験の一部が、あなたの前向きな一歩に貢献できることを心から願っている。
就活は実績の大きさを競うレースではない
就活にはさまざまな誤解がある。そのなかで、もっとも厄介なのは「学生時代にこんなすごいことをした」という実績競争であるという誤解だ。もちろん、わかりやすい実績があったほうが有利であることに違いない。
だからといって、ESを見る担当者や面接官は、あなたの実績、つまり過去だけを見て、あなたのすべてを評価しているわけではない。実績の大きさは、評価項目の1つにすぎないのだ。
そのため「ESに書けるようなことなんてない」と落胆する必要はない。「大した実績もないし、自分は評価されないに決まっている」とあきらめることもない。大きな実績こそすべてという呪縛から解き放たれることから始めたい。では、大人たちは、あなたの何を見ているのだろうか。
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