「話すことがない」と悩む就活生が持つべき視点 エントリーシートは「小さな成長物語」でいい

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就活でよく言われることに、面接官や会社にとって「一緒に働きたい人」を目指す、というものがある。ESに目を通すのは人事担当者だが、一次面接や二次面接は、現場の社員が駆り出されることも多く、こうした文脈が生まれたのだろう。

事実、入社とは一緒に働くことでもあるため、この基準は正しいと言える。しかし、一緒に働きたい人という指針は明確なようでいて曖昧で、要素分解することは難しい。

そこで、私は「応援したくなる人」としたほうが正確であると考えている。応援したくなる人は、ストーリーテリングの項目で説明した人物像と重なる。

不器用であらゆる壁にぶつかり、小石に躓きながらでも、自分の頭で考え一歩ずつでも前に進もうとする人である。こうした指標を、人材業務を行う担当者に投げ掛けたところ、非常に共感できるとの意見を得ている。

孤独を感じながら就活に挑むあなたへ

器用な人はいまのまま就活に臨めばいいと思う。しかし、そうではないと考える人には、就活に絶望しないでほしいと心から願っている。自分の価値観とは違う物差しで測られ、否定されることもあるだろう。

それでも、腐ることなく、不貞腐れることもなく、あきらめない姿勢を取り続けてほしい。あなたの小さな成長物語とその未来を語れるようになれば、あなたを応援したいと思う人と出会える日は必ずやってくる。その日まで、不器用な自分を表現し続けてほしい。

いまスマホを手に、パソコンの前で、孤独を感じながら就活に挑んでいるあなたへ。小さな成長物語を語り切る。過去だけでなく未来を見据える。そして、最後に、自分の可能性を誰よりも信じられる自分でいる。そんな姿勢を持つだけで、あなたの言葉は強くなり、あなたを正しく理解できる人は必ず現れる。そして、大人は、就活を通じて、そんなあなたと出会えることを楽しみにしているのだ。

梅田 悟司 コピーライター・武蔵野大学教授

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うめだ さとし / Satoshi Umeda

1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。広告会社でコピーライターとして活動した後、ベンチャー企業のコミュニケーション戦略の立案を中心とした起業家支援を行う。現在は、武蔵野大学にて、学生起業の支援に加えて、起業家研究を行っている。主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、リクルート「バイトするなら、タウンワーク。」、Surface Laptop 4「すべての、あなたに、ちょうどいい。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション・ディレクターなどがある。著書にシリーズ累計35万部を超える書籍『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)ほか。

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