「親が関与するほど成績がよくなる」は本当か どの程度関わるのがいいかは微妙な問題
また、PTAや課外活動への親の関与が生徒にどのように役立つかについて、ある学生は、すべての親が自分の子どもが学校で何をしているかを知る必要があると述べた。「自分の子どもがどのような環境にいるのか、彼らの教師は誰なのかを知る必要がある。そうすれば、彼らが(学校で)体験していることを知ることができる」。
「関与は関係ない」という実験結果も
一方、親が関与しすぎることは、子どもの教育成果にどのような影響を与えるだろうか。
「親の過剰関与は子どもの能力を伸ばす上で邪魔になる可能性がる」とある学生は話す。「過剰に関与することは、子どもの学ぶ権利を阻害するからだ」。彼は、「成績でBをとると両親に知られてしまう」という姿勢で学習に臨むと、過ちから学び、前進する機会が阻まれる、と考えている。
前述のカール氏も、子どもに過剰に関与することはしないように心がけていたというが、ある時、息子の高校の教師に成績について尋ねたことがあるという。「テストの成績を変えるためではなく、宿題の提出が遅れることに関する教師の方針を知るためだった。息子は恥ずかしがり屋で、自分で聞くことができないから」。
しかし、この行為によってカール氏は息子の宿題を手伝い過ぎていたことに気づき、のちに家庭教師を雇うようにした。「よかれと思って、彼の宿題を手伝っていたが、結果的にはよくなかった」。
テキサス大学オースティン校の社会学部のキース・ロビンソン教授は、同大の統計学部の学生と非公式のグループを作り、両親が彼らの学業成績にどれだけ貢献しているかを尋ねた。そこでわかったのは、ほとんどの学生が、両親に励まされたり、モチベシーションを上げてもらったり、学校行事に参加してもらった記憶がまったくか、ほぼないという事実だ。
学生たちによると、彼らの父親や母親は、当初は子どもに高い期待を抱いていたが、次第にそれを後退させていったという。「それでも子どもたちはちゃんとやっている」とロビンソンは分析している。
親の関与の恩恵を受けた1人として、オバマ元大統領はある年の一般教書演説で次のメッセージを繰り返した。
「結局のところ、親の代わりになるプログラムやポリシーはない。教師との面談を行ったり、宿題を手伝ったり、テレビの電源を切ったり、子どもに本を読み聞かせたりするのは母親や父親だ。私は大統領としてだけでなく、父親として皆さんにお話しする。私たちの子どもの教育に対する責任は、まず家から始まるのだ」
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