「親が関与するほど成績がよくなる」は本当か どの程度関わるのがいいかは微妙な問題
アメリカ教育省(ED)は、「親の関与」を、学校でのボランティアや、教師との面談、子育てワークショップ、演劇やスポーツイベントなどへの参加や、子どもの教育への全面的なパートナーとなることと、と定義している。EDは親によるこうした関与が、その後の高等教育への進学や高い成績、高いモチベーション、低い薬物やアルコール使用率などにつながるとしている。
「親の関与は(学業などに)関係すると思う」と、現在大学1年生の双子を持つカール・クローガー氏は話す。「親の助けは通常、親の関心と期待に等しい」。
積極的に子どもに関わってた家庭では
カール氏の妻、アリス氏も親の関与は大学での学業にさえ影響を及ぼすと話す。アリス氏によると、息子が在籍するワシントン大学で親の関与に関する講演に出席した際、登壇者から子どもに対する感情的サポートや教授と連絡を取ることをアドバイスされたと話す。
実際、クローガー家は子どもの学業や、ボランティア、スポーツ活動に彼らが小さい時から積極的にかかわってきたという。また、家庭においてはリサイクルを含めたゴミの正しい処理方法など環境についての意識も高めるよう努めた。こうした中、息子2人は青少年グループや教会、スポーツチームに所属するなど、コミュニティとのつながりを強めることができたとしている。
子どもたちの学習意欲を高めるために、学習はエキサイティングで楽しいものだとつねに伝えると同時に、彼らの能力も伸びていることを強調した。「私たちは、子どもたちの人生を平穏なものにし、彼らの全人格を受け入れるためにつねに心を開いているように努めた。それには努力が必要だった」とクローガー氏は振り返る。
フーバー・デンプシーらの心理モデルによると、「モデリング」「強化」「直接指導」の3つは、子どもの教育に大きな影響を与える可能性がある。モデリングは、子どもが親の行動に倣うことで、親が学校関連の活動に関心が高いと子どももそうなる傾向が見られる。強化とは、学校での成功につながる行動につながる親の関心、注意、賞賛、および報酬を指す。また、直接指導はそのままの通り、両親が子どもに直接指示することで、彼らの教育成果に影響を与えることができる、というものだ。
デンプシーらは、この3つの要素が子どもの「学校でうまくやる感覚」を高めると結論づけている。親が教育に関与している子どもは、親が関与していない子どもよりも、学業成績に対する前向きな能力を発達させる可能性が高い。
CNNステューデントニュースでは、多くの人種的背景を持つ11人の生徒に親の関与が彼らの学校生活や成績にどのような影響を与えたか取材している。ある学生は、「親はいつも忙しくしていたので……私は自立し、自分ですべての責任を負わなければならなかった」と回答。インタビュアーが、それが彼の学業にとって困難な影響をもたらしたか尋ねると、その生徒は「やや」と答えた。
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