名古屋のスガキヤが「移動販売」を始めた事情

コロナ禍で攻める「名古屋めし」の外食チェーン

コロナ禍で名古屋の外食チェーンはどうなっているのか(撮影:大隅智洋)

“名古屋めし”と呼ばれるご当地グルメが注目を集め、近年は観光コンテンツとしても人気を博してきた名古屋の外食シーン。しかし、コロナショックによってとりわけ大きな被害を受けた業界がまさに「外食」と「観光」だ。

この未曽有の危機に、各社はどんな取り組みをしてきたのか。名古屋めしを代表する外食企業の動向と取り組みをレポートする。

フードコート出店が主要の「スガキヤ」

ラーメンチェーン「スガキヤ」を展開するのがスガキコシステムズ。ラーメン1杯330円という低価格、ショッピングセンター(SC)のフードコート中心の立地性で、幅広い世代に親しまれている。観光客増に沸くほかの名古屋めしチェーンとは一線を画し、あくまで「地元っ子のソウルフード」という位置づけにある。

名古屋人のソウルフードともいえるスガキヤラーメン。唯一無二の和風とんこつスープが不思議とクセになる。1杯330円の低価格で、高付加価値化、グルメ化が進んできたラーメンシーンの中にあってあくまで大衆食のポジションを守っている(写真:筆者撮影)

とはいえコロナショックの影響は決して小さくはなかった。主要な出店先であるSCの休業、時短営業に合わせて、チェーン全体で営業時間の大幅な縮小を迫られたのだ。

「5月には全体の3分の1にあたる119店舗が休業、約100店舗が時短営業に。売り上げは4月が前年同月比45%、5月が同50%にまで落ち込みました」と、同社営業管理部の髙岡勇雄ゼネラルマネジャー(GM)は語る。

かねてよりの不採算店を整理する方針もあって、この半年の間に291(4月1日時点)→282店舗(11月12日時点)と、スガキヤ9店舗を閉店している。

売上減をカバーするためにまず取り組んだのがラーメンのテイクアウト販売だ。6月に約10店舖で試験的に販売を開始し、9月10日には全店舗での販売をスタートした。

テイクアウトは外食店のコロナ対策として最も一般的な施策だが、ラーメンチェーンでの主力のラーメンのテイクアウトは決して多くはない。グループ会社に寿がきや食品があり、スーパーやコンビニ向けの袋めん、カップ麺などもあるが、あくまで店舗の味を提供することを重視した。

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