「ルーテシア」全面改良でも旧型に似ている訳 人気車種ならではのフルモデルチェンジの仕方

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新型ルーテシアの最高出力は96kW、最大トルクは240Nm。最大トルクはAクラスやBクラスを上回り、先代ルーテシアのスポーツモデルである「R.S.」と同一となっている。ルノーがEDCと呼ぶデュアルクラッチ・トランスミッションは、先代の6速から7速に進化した。

ダウンサイジングしたボディや新開発プラットフォームのおかげで、車両重量は先代の同等グレードより20kg軽い1200kg。よって、加速はかなり力強い。多くのライバルが3気筒にスイッチする中では、4気筒らしい滑らかなサウンドも印象に残った。

トランスミッションは先代同様、デュアルクラッチタイプとしては唐突感が少なく滑らかで、トルコンATとは違うダイレクト感を残しながら、微妙な速度調節がしやすかった。

ようやく先進運転支援機能が追いついた

乗り心地とハンドリングも先代と似ており、何気なく乗っていると特徴が掴みにくい。走りはじめてすぐに「猫足」を感じるプジョー208のほうが個性的だ。でも、他車から乗り換えるとレベルの高さに気づく。とにかく揺れが少なくフラットで、コーナーでは信頼感あふれる接地感をベースに、自然な身のこなしを届けてくれる。

伝統的なシートのよさと相まって乗り心地のレベルは非常に高い(筆者撮影)

さらに新型では、ライバル車では気になるパワートレインやシャシーからの細かい振動がシャットアウトされており、1クラス上のクルマを思わせる。だからこそ、世界初採用というBOSE(ボーズ)のフレッシュエアスピーカーが生きるのだ。これまでのルノーと比べると、付加価値的な部分のレベルアップが目立つのである。

しかも新型ルーテシアでは、これまでは皆無に近かった先進運転支援機能が、一気にライバル並みになった。これも新世代プラットフォームの恩恵だ。具体的には、アダプティブクルーズコントロール、アクティブエマージェンシーブレーキ、レーンデパーチャーワーニング、ブラインドスポットワーニングが全車標準装備となる。

作動感はルノーらしい。たとえばアダプティブクルーズコントロールは、唐突感のない滑らかな作動感で、高速道路での加減速は自然そのものだった。最上級車種のインテンス テックパックに付くレーンセンタリングアシストも小刻みに操舵を支援したりせず、シームレスな作動感なので心地よく使うことができた。

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