カングーが「賛否両論の大変身」を行った理由 2021年の発売を前に見えた新型カングーの全貌

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今回のフルモデルチェンジで3代目となるカングー(写真:ルノー)

日本でも根強い人気を得ているフランス車の1つ、ルノー「カングー」の新型が11月12日にフランスで発表された。すでに新型の写真はインターネットに出回っているが、そこに添えられた記事は説明不足のものも目立つ。

筆者はフランス北部のモブージュという街にあるカングーだけを作っている工場を訪ね、開発担当者に直接話を聞いたこともあるので、そうした経験を踏まえて詳細な情報をお届けしたい。

まず書いておきたいのは、カングーは日本で販売されているハイトワゴンのほか、欧州ではLCV(ライト・コマーシャル・ビークル)と呼ばれるバンもあるうえに、新型では廉価版を「エクスプレス」という名前で用意し、こちらにもワゴンとバンがある、つまり合わせて4つのバリエーションを持つことだ。

新型カングー4つのバリエーション(写真:ルノー)

現行型のラインナップをそのまま引き継げは、カングー・ワゴンとエクスプレス・バンの2タイプになったはずだが、日本でもトヨタ「ハイエースバン」をレジャーに使う人がいるように、ユーザーの要求が多彩になってきたことを踏まえ、4車種体制に拡充したようだ。

バリエーションを拡大した理由

ここまでワイドなバリエーションを展開できるのは、日本以外でもカングーの人気が根強いからである。1997年に発表されてからの累計販売台数は400万台を超え、ルノーは翌年から21年連続で欧州における商用バンと乗用ミニバンのリーダーであり続けている。

歴代カングーのフロントマスク(写真:ルノー)

電動化においても同様で、「カングーZ.E.(ゼロ・エミッション)」は小型商用車におけるEVのパイオニア。2011年以降欧州でもっとも売れている電動小型商用車であり続けており、現在まで5万台以上が販売されている。新型もカングーに電動バージョンが用意される。

それよりも多くの読者の興味は、スタイリングが一変したことだろう。

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