カングーが「賛否両論の大変身」を行った理由 2021年の発売を前に見えた新型カングーの全貌

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発売時期は、カングー/エクスプレスともに2021年春の予定だとアナウンスされている。エクスプレスのワゴンは「欧州以外で販売」と書かれていることから、ワゴンは欧州ではカングー、それ以外がエクスプレスとして販売するという棲み分けがなされるのかもしれない。

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生産は、カングーが従来どおりフランスのモブージュ、エクスプレスはモロッコのタンジールにあるルノー工場で行われる。エクスプレスは、フランスよりも人件費の安い地域へと生産施設を違えることで、価格競争力を高めていることが想像できる。

日本へは従来どおりカングー・ワゴンのスタンダードボディが輸入されるだろう。パワートレインは新型ルーテシアと同じ、1.3リッター直列4気筒ターボエンジンとDCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)の7速EDCになると考えられる。これまでもラインナップされ、好事家の間で好評を博してきたMT仕様もラインナップされる可能性もある。

カングーのメインマーケットゆえに

発売のタイミングは、多くの輸入車が本国発表後、数カ月から長いものでは1年前後かかるのが通例だが、新型カングーはその平均よりも早いのではないかと期待を抱いている。

というのも、我が国はカングーのメインマーケットの1つで、現行型の主力である1.2リッター4気筒ターボと6速EDCの組み合わせは、日本のために開発され、世界で最初にデリバリーされているほどだからだ。

日本をメインマーケットの1つとした2代目カングー(写真:ルノー)

ルノー日産アライアンスが20年以上続いたことで、ルノーのエンジニアがひんぱんに我が国に滞在し、日本の輸入車やカングーに対するニーズ、道路事情といった経験を帰国後にフィードバックしていることが大きい。

シャープになったデザインについて賛否があるのはたしかだし、同じフランス生まれのシトロエン「ベルランゴ」やプジョー「リフター」という同カテゴリーのライバルもいよいよ日本で発売されたが、カングーは地の利(?)を生かし、今回の新型モデルも根強い支持を集めるのではないかと予想している。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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