築地本願寺「インスタ映え」カフェ大行列の理由 知恵を絞って誕生させた「18品の朝ごはん」
400年の伝統がある築地本願寺が今、リブランディング、ビジネスモデルの大変革に取り組んでいる。「衰退産業」の中にあって、生き残りをかけてどのように変わりつつあるのか。
一例を挙げれば、インスタ映えする「18品の朝ごはん」が評判のカフェは、女子大生からシニアまで行列ができる大人気となっている。元ビジネスマンから2015年に築地本願寺のトップに就任、数々の斬新な施策でテレビ番組「カンブリア宮殿」などでも注目され、このほど『築地本願寺の経営学 ビジネスマン僧侶にまなぶ常識を超えるマーケティング』を上梓した安永雄彦氏が仏教界の常識を超えるマーケティングについて解説する。
「顧客創造」の3つのステップ
2012年から築地本願寺の改革プロジェクトに関わるようになり、2015年に宗務長になった私は、築地本願寺を「開かれた寺にしよう」と考えました。
参拝者数が減り続け、経常収支の赤字も続いている状況で、まず取り組むべきことは「顧客創造」でした。
顧客創造、すなわち「首都圏の門信徒を拡充する」といっても、「新たに寺院をつくって檀家になってもらう」という従来のやり方は容易なことではありません。
そこで私は、人と寺院の「新しいつながり」を提案しようと思いました。私の考える「顧客創造の3つのステップ」は以下のとおりです。
(ステップ1)「開かれた寺」になり一般の人たちと「ご縁」をつくる
(ステップ2)「人生のコンシェルジュ」になって「ご縁」をつなげる
(ステップ3)「ご縁」がつながった人たちに門信徒になっていただく
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