「信教の自由」を盾に開き直る宗教界への疑問

収支はひた隠し、労務管理もずさんそのもの

1972年の創価学会総会。急成長のさなかで日本武道館を埋め尽くした。このパワーは継承されているのか(デザイン:熊谷 直美、写真:共同通信社)

日本の宗教界が、曲がり角に立っている。

文化庁の『宗教年鑑』によれば、国内宗教法人の信者数(公称)の総数は過去10年で12%減。信者数の絶対値は減り続けている。それでも、宗教法人は侮れない力を依然として持つ。税制優遇という強力な”特権”が付与されているほか、財務諸表などの情報開示が求められないこともある。富の蓄積を容易にするその力をテコに、巨大施設の建設や美術品の購入、政治活動を行ってきた。

『週刊東洋経済』は8月27日発売号(9月1日号)で、「宗教 カネと権力」を特集。創価学会、幸福の科学、真如苑、ワールドメイトなど注目教団のマネーから人事まで、厚いベールに包まれた実像に迫っている。

さまざまな税制優遇を享受しているのに…

現在、ほとんどの宗教法人は毎年の収入すら開示していない。宗教法人は税法上、「公益法人等」という立場で、さまざまな税制優遇を享受している。お布施や寄付など宗教活動で得たおカネは原則非課税で、不動産賃貸など収益事業に関しても通常より税率が低い。宗教法人は高い倫理観から不正経理など行わないという性善説に立っているためだ。

『週刊東洋経済』8月27日発売号(9月1日号)の特集は「宗教 カネと権力」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

だが現実には修正申告は少なくなく、悪質な所得隠しを行っているケースもある。税逃れ狙いによる宗教法人売買では反社会的勢力も暗躍している。オウム真理教による無差別テロ事件をきっかけに、1995年に宗教法人法の改正が行われた。改正法では、収益事業を行っているか、年間収入が8000万円を超えている場合、毎年収支報告書を作成し、所轄庁に提出することが義務化された。

宗教法人が所轄庁に届け出た財務諸表の写しは行政文書となる。そこで『週刊東洋経済』編集部は今年6月、文化庁あてに複数の宗教法人から提出された財務諸表の開示を求める請求を行った。翌月、文化庁から届いた決定通知書は請求文書の存否も含めてすべて不開示とするというものだった。現在、文化庁長官に不開示決定への不服審査請求を行っている。

不服審査請求を受けた省庁は、総務省の情報公開・個人情報保護審査会に諮問する。審査会は第三者的立場から公正かつ中立的に調査審議し答申を行う。実はこれまでも『週刊東洋経済』編集部と同様の審査請求が文化庁宛てに複数回行われており、審査会ではそのたびに「存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定は取り消すべき」との答申を出している。

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