日本の会社「コロナ後を生き抜く」為の絶対条件 価値観と産業構造の変化をどう受け入れるか

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もっとも、これですぐに飲食業や飲食サービス業が衰退していくのかと言えば、それは大きな疑問だ。ただ、これまでと同じノウハウではやっていけないかもしれない。出前・宅配、テイクアウトなど、多種多様なサービスを提供する体制を整える必要があるだろう。

そもそも人が集まる場所が変化しつつある。都心部の家賃の高い場所での営業は、それなりに人口密度が高く、また観光客などの来店数も圧倒的に多かった。これからは郊外の住宅街のほうが来店者数を見込めるケースもありそうで、それなら郊外の住宅街で営業したほうが収益を上げられるケースも出てくるかもしれない。

ちなみに、人と人が会わないことによって、企業接待に欠かせない高級クラブや高級料亭といった業種は、今後の営業に難しさを生じるかもしれない。

問われた危機管理能力、現状対応能力?

業種別には、人々が集まり密になることが避けられない業種は、極めて厳しい状況にあることがハッキリしたわけだが、今回のコロナ禍によって同じ業種の中でも、企業によってその対応が大きく異なり、生き残れる企業と存亡の危機に直面した企業も見受けられた。

緊急事態宣言が出されていたときも、書類に印鑑を押すだけの作業のためにわざわざ出社する社員が報道されていたが、こうした緊急事態に対応できるマニュアルがなかった企業が多かったのも事実だ。

常日頃からリスクマネジメントをきちんとやってきた企業は、パンデミックに対応するノウハウも準備していたはずであり、今回はそうした企業の危機管理能力に大きな差が出たと言ってよい。中小企業も含めて、どう危機に対応していくのかを日常的に想定している企業のほうが生き残りには有利になるだろう。

言い換えれば、危機管理能力をアップするための新たな産業や企業が台頭してくることが予想される。例えば、5Gなどはセキュリティーシステムを確立する効果的な通信ツールと言っていいだろう。警備員を配置してセキュリティーを強化する、といった昔ながらの方法は今後衰退していくのかもしれない。

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