日本のハンコ文化がどうしようもなくダメな訳

行政のデジタル化を待っていては後れを取る

印鑑と紙がないと進まない状況を打破できるのか(写真:USSIE/PIXTA)

新型コロナウイルスによる影響で、やっと日本のビジネスの中心的存在でもあった「印鑑認証」、いわゆる紙・ハンコ文化が見直されようとしている。

いまは、だいぶ少なくなったかもしれないが、日本のビジネスの現場には稟議書などの押印付きペーパーが飛び交ってきた。いまだ「日本スタイル」と呼ばれる独特のビジネスのやり方が数多く残っている。しかし、今回の新型コロナは日本特有の商習慣を見直すいい機会になってくれるかもしれない……。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、5月14日付の電子版「コロナで変わる日本企業、ハンコやめる動きも」の中で「日本は世界で最も伝統に縛られたハイテク国家かもしれない」と指摘。「日本のオフィスでは2020年の初めまではファックスや対面会議、紙の契約書への押印が標準だった」と報じている。

さらに、パナソニックが100年の歴史の中ではじめてホチキスで閉じた決算資料の配布を中止し、20世紀後半のテクノロジーである「電話会議」での決算説明会開催に踏み切った、と皮肉を込めて紹介している。

テレワークで浮上したハンコ文化の弊害

新型コロナウイルスによるテレワークの浸透で、3月ごろから、日本では多くの企業がテレワークに移行したと思われていた。

ところが、「日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)」などが3月に公表した調査によると、テレワークのシステム環境や社内規定を整備している企業は3割を下回る結果だったことを発表した。契約の電子化を1部でも進めている企業はわずか4割強にとどまっており、日本企業の3分の2はデジタル化とは無縁のシステムで稼働していることがわかった。

なぜ日本ではテレワークが普及していかないのか。参議院常任委員会調査室・特別調査室がまとめた「テレワークの拡大と課題」によると、日本のテレワークが進まない理由について大きく5つに分けて指摘している。

①労務管理が難しい
②押印・書面提出等の慣行
③セキュリティー対策
④通信量の増大と通信基盤の整備
⑤資料・データへのアクセス、意思疎通等

今回のコロナウイルスによるテレワークで何がいちばん問題だったのか……。業種や職務の内容にもよるが、ここにきて注目されているのが、やはり日本特有のビジネススタイルと言ってもいい「印鑑認証」や「紙による決裁」と言っていいだろう。

この6月19日には、内閣府、法務省、経済産業省が連名で、「押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない」という正式見解を発表した。しかし、これですぐに「押印なきペーパーレス化」が日本に浸透すると考える人はほとんどいないだろう。

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