副作用のリスクでも高齢夫婦が治験を受けた訳 製薬メーカーは急ピッチで供給体制を整える

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各製薬メーカーはワクチン開発を急ピッチで進める。(写真:AP/アフロ)

新型コロナウイルスの第3波が懸念される中、アメリカの製薬企業のモデルナは16日に同社が開発中のワクチンが94.5%の有効性がある、という暫定分析結果を発表した。さらに、アメリカの製薬大手のファイザーも18日、開発中のコロナウイルスワクチンについて、95%の有効性が示されたと発表した。ワクチン供給への期待が高まっている。

とりわけ高齢者の重篤化リスクが高いと指摘されている新型コロナウイルス。今年の夏から始まった、ある製薬メーカー(以下、B社)の治験に参加している70代の夫婦を取材した。

「承認されていないワクチンの接種に不安はあったけど、高齢者の私たちは新型コロナに感染するほうが怖い。社会貢献にも自分のためもなると治験参加を決めた」

関東在住の田中さん(仮名、70代)は夏からB社の治験に参加し、2回接種を受けた。

志村けんさんの死が参加のきっかけに

田中さんは高血圧など複数の健康リスクがある。高齢者や持病のある人の重篤化・死亡リスクが高いとワイドショーで連日報道されるのを見て不安が募った。同世代の志村けんさんが亡くなった3月末にはスーパーに出かけることさえ怖くなり、夫婦で引きこもっていたという。他県に住む孫に会えなくなったことも、治験参加のきっかけになった。

「いつもなら年末年始、春休み、夏休みと1週間ほど一緒に過ごせるが、今年は年明けから孫の顔が見れていない。緊急事態宣言が解除されても、私が関東在住のために遠くの孫に会えない状況が続いている」

コロナに感染したら家族と面会もできず、亡くなっても葬式すらまともにできないかもしれない。夏に知人から治験参加者の募集情報を聞いたとき、「コロナで死にたくない、ワクチンの副作用のほうがまだ耐えられる」と考え、年下の妻と一緒に参加を決めた。

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