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副作用のリスクでも高齢夫婦が治験を受けた訳 製薬メーカーは急ピッチで供給体制を整える

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  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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ところが国外におけるコロナワクチン臨床試験で被験者に副作用の疑いが確認されたことを受け、B社は治験を中断。

田中さんにも治験コーディネーターから連絡が入り、新規の治験は中断することと、田中さんのようにすでに1回目の接種を受けている被験者も中断できると伝えられた。

田中さん夫婦は迷うことなく治験継続を選んだ。接種後も体調は安定しており、「通院を続けていたほうが、何かあったときにすぐ相談できてむしろ安心だと思った」という。

結果的にワクチンと被験者の神経症状の関連は確認されず、田中さんが2度目の接種を受けた前後に、同社は日本での治験再開を発表した。田中さん夫婦は通院を続け、治験は一服した。現時点まで体調に異変はないという。

第3波前に「精神的不安和らいだ」

田中さんは夫婦で治験を受けた。75%が本物のワクチン、25%がプラセボのため、2人ともプラセボの確率が数パーセント、夫婦のいずれかがプラセボを接種された確率が4割近くある。

「ワクチンが承認されたら、抗体ができている被験者は接種する必要がないので、治験でどちらを接種されたか連絡が入るようです。子どもたちは、片方だけプラセボだったら夫婦げんかになるんじゃないか、とちょっと心配をしている」と田中さん。

ただ、「ワクチンである可能性が高いものを接種した」心理的安心感は大きく、11月には久々に県境をまたぎ、実家に墓参りに出かけた。

第3波の懸念が高まる中でも、春先の緊急事態宣言のときのような不安感はない。田中さんは「プラセボだったら感染リスクはもちろんあるのですが、治験を受けて精神的にはだいぶ楽になりました」と語る。

日本政府はファイザーから6000万人分のワクチンの供給を受けることで基本合意しているほか、アメリカのモデルナから2500万人分、イギリスのアストラゼネカから6000万人分のワクチンを確保する計画だ。最終段階に向け、各製薬会社は急ピッチで開発を進める。

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