「存在しない国番号」詐欺電話、驚きの巧妙手口

詐欺電話対策会社に直撃、その手口を聞く

2016年上半期の後半、中国国内における詐欺電話の総数が18億件を越え、上半期の前半から88%増という事態になった。通報された詐欺電話のなかには国番号として割り振られていない番号も含まれ、中国公安部は「+897」等の存在しない国番号をブラックリストとして公開している。

その際に公表された手口は、地元の公安局や社会保険局を名乗り「公安で重要書類を預かっている」「電話料金の未払いがある」「あなたの社会保障カード(健康保険証や年金手帳に相当)の電子マネー支払い機能が悪用された、調査にはATMで操作が必要」とATMへ誘導し振込を実行させるというものだ。2020年に日本で確認された詐欺電話と共通点が多い。詐欺のターゲットが中国国内から国外へと広がったと考えるのが自然だろう。

存在しない国番号電話の「目的」「仕組み」は?

では、詐欺犯がわざわざ存在しない国番号を使うのはなぜなのだろうか。また、その仕組みはどうなっているのだろうか。そして、この手の詐欺電話は中国や日本だけで展開されているのだろうか。

日本を含む世界50カ国で迷惑電話の検索サイトを運営し、迷惑電話のブロックアプリをリリースする 「tellows(テロース / 本社:ドイツ)」の広報担当者に話を聞いた。同社サイトではユーザーから寄せられる迷惑電話の情報をデータベース化、電話番号に信用スコアをつけ、その番号が危険なものかどうか情報提供している。

――現在、日本では存在しない国番号からの迷惑電話が急増している。日本の他に報告されている国はあるか。

「この1カ月にtellowsに寄せられた存在しない国番号からの電話に関するものだと、日本以外ではイングランド、ドイツ、イタリアで報告されている。それらの番号の信用スコアはいずれの国でも9段階のうち8~9と危険度が高い。特にイングランドからの報告が目立ち、同一の存在しない国番号からの電話が1カ月で1万6000回以上検索されている」

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