CoCo壱番屋に学ぶ・制約条件の中での生き残り!《それゆけ!カナモリさん》
■堅調に成長してきたココイチに黄信号?
同社がこれまで堅調に成長を遂げてこれたのは、人材育成を基盤とした「のれん分け」の仕組みの功績が大きい。嶋田毅氏のコラム『経営理念 第4回 壱番屋「当社にかかわるすべての人々と幸福感を共有すること」』に詳しいが、従業員が独立して店舗を構える「ブルームシステム」により、成長を加速させてきたのだ。独立を前提として正社員を採用し、店舗でマネジャーへと鍛え上げながら、次々に出店数を増やしていく。最近では海外進出も増えてきており、ハワイや中国、韓国、台湾、タイ、そして今夏には北米にも進出するという。順調に見えるココイチ。だが、外食産業が軒並み苦しんでいる日本市場では、ここにきて少し足踏みをしているようだ。
上場会社である経営母体の株式会社壱番屋が、今年1月7日に平成22年5月期 第2四半期決算短信(非連結)を発表した。それによると、外食業界におきましては、雇用不安や所得の減少等を背景に消費者の生活防衛意識が高まり、外食を控える傾向が強まりました。当第2四半期累計期間における店舗売上高は、全店ベースで前年同期比2.8%減、既存店ベースで前年同期比4.6%減の結果となりましたと、外食業界における厳しい環境下で、同社も例外ではなかったと伝えている。各紙が報じたところによれば、中間期での減収は00年の上場後初めてというから、市場環境の厳しさが如実に表れている。
特に消費者の生活防衛意識の高まりは、メニュー単価の高い同社には強い逆風となる。平均的なメニューは700円~800円。豊富なカレーのトッピングが売りであるが、楽しくトッピングして、うっかりサラダでも頼もうものなら、その日のランチは軽く1000円を超えることになる。昨今のランチ事情は300円~500円に抑えようとする人が多いのだ。(参考:お弁当もデフレ化の波(Biz誠・記事))
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