なおわれわれ一行は“もののふカフェ”とかいう戦国武将コスプレカフェに行ったのだが、そこでは1人2500円払うと奥の特別和室に通してもらえる。その設定が面白いのだが、顧客は帰城する親方様、コスプレ姿の店員さんは城主に捕らわれた大名の娘という設定なのだが、別に接客をしてくれるわけでもなく、単にコスプレ姿で給仕しているだけである。
ちなみに数千円払うとその場でアニメソングを歌いながらオタダンス(すごい運動量を一生懸命こなしてくれる)を踊ってくれるのだが、それをした途端、店に居合わせたほかの客が、突然、一緒になって活発にオタダンスを踊りだして、われわれはビックリ仰天しつつも、その異文化体験を存分に楽しませていただいた。
なぜ秋葉原は秋葉原たりえたのか?
このような特殊な文化体験を経た後、私はなぜ秋葉原がこうなったのか、思索にふけっていた。当初、家電製品街だったのでパソコン市場として成長し、パソコン市場の拡大は実は当初、アダルトコンテンツ(アダルトアニメ、ゲーム含む)で拡大したので、“ロリコンテンツ”の市場が発達する下地はあったのだろう。
しかしそれだけだと、一般の客や海外顧客を呼び込むほどの文化圏を形成できないわけだが、秋葉原はメイド喫茶やコスプレカフェのように、一般の人でも楽しめる領域のサービスに展開することで、一般的な市民権を獲得した。そしてアニメの3次元化ともいえるコンセプトで独特の空間が演出され、世界中からコスプレファンやアニメファンを呼び込む一大コンテンツ産業都市に成長したのである。
しかしそれでも不思議なのは、この手の家電製品ショップが集積する町は日本にも世界にもたくさんあり、同じようにアダルトコンテンツやアニメコンテンツも販売されているわけだが、なぜ秋葉原がそのメッカになりえたかという点である。
この秋葉原が秋葉原たりえた理由と、そこからくる街づくりのヒントに関するインプリケーションに関し、次週後編で(もしこのコラムに人気があったなら)解明していきたい。
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